本作の魅力は、主人公・皐月のツッコミの切れ味、昔話(桃太郎/かぐや姫/一寸法師)の“ズレた伝承”をネタにした異文化コメディ。おいおい、という突っ込みどころ満載の軽妙さのまま進むのかと思いきや、「龍王」パートで物語が一段ギアチェンジし、笑いが緊張へ変わるのが上手い。
読者の想定を裏切りつつ、皐月と五月雨の関係性がきちんとドラマになっています。
最終話の呼びかけで、「これは1回きりの異世界体験じゃない」と感じられる引きも鮮やか。ライトな入口から、読者の妄想の火種を置いていく。短いけど読後感の良い和風ファンタジーです。ツッコミ好き・異世界×民話好きの人は刺さるはず。
作者さま、ぜひ、続きを読ませてください。