ガラケー時代の恋愛だって素敵じゃん!
るなねこ
第1話
ガラケー時代の恋愛だって素敵じゃん!
みなさんはガラケーという言葉を聞いた事ありますか?
そうです、今はスマホですがその前の普通の携帯電話の事を言います。
「ガラパゴスケータイ」を略して「ガラケー」というみたいです!
そんなガラケー時代の恋愛のお話…。
私は、小学校を卒業して春から中学校へと入学する。
春の暖かな風と空気、とてもわくわくした気持ち。
心臓をドキドキさせながら新しい一歩を踏み出す。
学校について自分が何組か確認する。
「えっと…私は一年二組か…。」
同じ小学校から同じ中学に上がってくる子はたくさんいたので友達はいたから安心した。
入学式が終わり自分の組へ行く。
そこは新たな世界へ来たかのようにきらきらしていた。
私はこれからがとても楽しみだった!
休み時間に他のクラスへ行ってみた。
すると、四組の前を通ると私は時が止まったようにある男の子から目が離せなかった。
「あ…これが一目惚れなんだ。」
私は四組の彼に人生初の一目惚れをした。
それから、友達に相談をしたらメアド交換してきなよと言われた。
「ええぇ!そんなの無理無理!!」
そんな言葉を無視し友達に連れていかれた。
四組の男の子はあつきくんというみたいだ。
見たことないから違う小学校から来た子だ。
「あのね、この子が君とメアド交換したいんだって!」
(もう!勝手なことしないで~…)
と思いながらも、あつきくんとメアドを交換した。
しかし、恥ずかしくて三年間何の連絡も出来なかった。
「私のバカ…。なにしてんのよ!!」
そして、三年間あつきくんに片思いしていた。
私は部活が忙しくてあつきくんのメアドのことなど忘れていた。
文化祭の前日。
あつきくんのクラスが音楽室で合唱曲の歌の練習をしていた。
その時あつきくんを見たら涙がポロポロでてきた。
「なんで、涙がでるの…私は…まだあつきくんのことが…すき…なんだ…」
そして、三年かかった今あつきくんにメールを送ることを決めた。
「はじめまして。私は三年三組の…です。」
すると、あつきくんからメールが来た。
「はじめまして!君のこと知ってるよ!よく見かけていたよ。」
私はあつきくんに知られていたこと、見られていたことをしって赤面した。
そして、メールの件名にRe:(リ)が増えていく。
好きな人からメールが来るのはドキドキする。
メールが届かない時はセンターに問い合わせをするがまだ届いてなかった。
あつきくんのメールだけ着信音を変えていた。
これもガラケー時代の醍醐味だ。
また、ポエム待ち受けというのも流行っていた。
この画像を待受にすると恋が叶うというものだ。
私は常にその待受にしていた。
あつきくんとはデコメを使ってメールをし合っていた。
私はある日、あつきくんに勇気を出して言った。
「実は…私あつきくんのことずっと好きでした。」
私はガラケーを閉じて返信が来るのが怖くて布団にくるまっていた。
いつ来るか分からないメール。
振られるのが怖い。
そして、あつき君専用の着信がなった。
「あっ…あつきくんからメールだ…」
私は勇気を出して開いた。
「ありがとう!でもごめん…俺彼女いるんだ。」
私は唖然とした。
あぁ…そうか…あつきくんかっこいいもんね!
彼女くらいいるよね!
人生初の失恋をした私は涙が止まらなかった。
件名のRe:は途切れちゃうのかな…と思っていたら
またあつきくんからメールが来た。
私は泣きながらそのメールを開いた。
「俺、君のこと一年の時から気になってたんだ。」
「メアド交換してくれた時嬉しくてメールくれるの待ってたんだ。」
私は三年前の自分に言ってやりたかった。
(ばかやろーーーう!!)
「あつきくんが私の事気になってたなんて…」
あの日あつきくんに勇気出してメールしてたら私の初恋は実っていただろうに…。
私は後悔で涙が止まらなかった。
「君のこと可愛いと思ってたんだ…。」
そんなこと言われたらつらくなる!!
まさか、初恋の人と両思いだったかもしれないなんて…。
「ありがとう。私もあつきくんのこと三年間ずっと好きでした!!」
私は人生初の失恋をした。
続いていたRe:は終止符を打った。
あれから十年後。
ふと、それを思い出した。
あの時聞いてた曲。思い出。
懐かしいガラケー時代の恋愛。
あの時にしか分からない楽しさやドキドキがあったなと。
思い出しながら微笑む。
今としてはとてもいい思い出だ。
あつきくん元気にしていますか?
私はあつきくんのこと好きになって
今ではいい思い出ができて幸せでした。
もう会うことは無いけど
この思い出は胸の奥に閉まっておきます。
大好きでした。
ガラケー時代の恋愛だって素敵じゃん! るなねこ @runa_neco
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