閑話

 まぁ、どうなさったのですか?


 そんなに酷いくまをぶらさげて……


 え?


 彼のことが心配で眠れない、と?


 そういえば最近手紙も来ませんものね。


 最後に来た手紙は、確か鉱山都市から、でしたか?

 なんでもドワーフの娘に付きまとわれている、だとか。


 案外、そのドワーフの娘と結婚してしまったのかもしれませんよ?

 あるいは、父親に殺されてしまったか……


 あっ、冗談ですよ、嘘です。叩かないでください。

 大丈夫ですよ、きっと。


 え? また、ですか?

 私は一向に構わないのですが、旦那様と奥様に怒られなければいいのですが……


 はいはい、わかりました。大丈夫です。


 旦那様にも奥様にも、そう申し上げておきますから。


 ええ、全てお任せください。


 そういえばお返事はお書きになったのですか?


 へ?


 あ、はい、わかりました。


 では一緒にそれもお届けしますね。


 これで今夜はゆっくり眠れますね?


 おやすみなさい――

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