大学生の生活は、恋にバイトに充実してるクワッ。でも、命の危機もあるクワッ。キツネ好きも読むクワッ。
ふとしたことから超常現象を解決する組織に所属することになった大学生、神楽くんと藤宮さんのお話。妖怪や幽霊と度々やり合いますが、悲壮ではなく、文体がユーモラスで楽しく読めます。ミームやパロディを使った安易な「ユーモラスさ」ではなく、文章自体の調子(登場人物の行動やセリフ)でユーモアを描く、本当に「面白い」作品です。どいつもこいつもクセが強いこの作品、一読の価値ありです。
日常が静かに「バグり始める」感覚の描写が巧みな作品だと感じました。コンビニ前で怪獣が殴り合う、という強烈な導入にもかかわらず、読み進めると、自然に世界へ入り込めます。都市伝説・オカルト・怪談といった要素を、現代社会と地続きの形で整理していて、設定が多いのに読みにくさを感じません。巻き込まれ体質の主人公と、淡々と異常を処理していく組織《ROOTS》の対比も面白くて、日常と非日常の境界が少しずつ壊れていく感覚を楽しめました。現代オカルトが好きな方には、おすすめできる一作です!