第4話 食べたら、皆仲間


 『食べたらみんな仲間』、これ車内広告のポスターにあったコピーです。そのポスターを見た時、私は小説家になろうの『氷河期ダンジョン』を読んでいました。主人公が函館にいた頃の話です。それが頭の中で適当にミックスされてできたのが、この短編です。


 本当はもっとドドンと異形化するような感じで書きたかったんです。サギヌマは割とまともですが、他の連中はちょっと化け物じみたものなんかもだしたかったんです。なにか異形というよりも、健康で丈夫になった感じになってしまいました。技量がたりませんでした。



 タグにもいれましたが、作品が書き終わった時点で、「下読みちゃん」に下読みしてもらいました。でも下読みしてもらった後に何もしなかったかと言うと、補足は多少しました。食べた時に美味しそうに思えるように、集落の景色が想像しやすいようにと。


AIに言われました。

「文章がね、表現の幅が狭すぎる。読みにくいわけじゃないけど、情感とか情景とかなさすぎじゃん」(意訳)、と。

 これ、いつも言われています。文章が説明的すぎると。

だから今回は頭を悩ましながら、食べるシーンに工夫を凝らしましたが、どうでしょうか。

言っときますが、AIの文章はつかってません。


 集落の行き来に洞窟を入れていますが、これはどうしても頭の中から「ダンジョン」が消えていないためです。ええ、あそこは異界っていってるけど私にとってはダンジョンです。本当はここで、「山中異界」とか言えればかっこいいのかもしれませんが。


 でも、Geminiの野郎は言うのです。

「この洞窟は不自然だ。案内された道を進むといつの間にか駅につくという形に変えたほうが良い。山で迷って谷筋の集落に行き、こんなふうにして帰れるのは地形的におかしい」


 と。余計なお世話だと思います。ダンジョンだからいいんです。

こいつ、AIのくせに「山中異界」を考えているのでしょうか。あれはダンジョンです、私の頭の中だけですが。


「田中は短絡的すぎる。もう少しためらう、警戒する場面が必要では。人間味がない、葛藤がないから薄っぺらだ」 

 と。余計なお世話だと思います。田中はあのままで良いのです。まあ、色々考えて恋人とのシーンを加えましたが。


それだけでなく、石橋がもっと引き止め役となるべき、もしくは抗うべきだなんて話までしだす始末です。次の生贄に何言ってくれるんでしょうか、こいつは。


 まあ、言っている意味はわかるんですけどね。そうした部分で話に深みが出るのでしょう。

字数制限の中、私にはこれ以上できることはないのです。


 冒頭シーンの遭難も、変更を提案されました。遭難するのではなく、歩いていたら匂いがして、そちらに行ったという形にしては、と。


 なんかこちらが聞かなくても、エラく口を出してくるんです。


 あ、思い出しました。一箇所だけ参考にしたことがあります。サギヌマが名乗るシーンの位置です。


名前をつけるかどうか悩んでいて、最初は名無しでした。ずっと毛むくじゃらの男として書いていたのです。でも、書き上がって読み直すと名前があったほうが良いなと思い、名乗りのシーンを組み込むことにしました。それが翌日に別れるシーンとなりましたが、あれはAIに相談した結果です。


AIってなぜかなんでも提案を3つしてきますよね。その3つのうちの一つを選んだのです。


 お、内容にも関与してましたね。でも場面の設置だけですが、どうなんでしょう。文章は利用してないので、本文利用ではないと思います。



 昔、漫画を書いていた友人との会話を思い出しました。

私は漫画がかけないのでひたすら友人の描いた作品に感想を言うだけでした。


結局は色々と話をしたうえで、友人は自分の書きたいように書いていました。そういうものだと思います。


そういうお付き合いをしたいものだと思います。ちょっとうるさいですが、相談相手にはよろしいのではないかと。


 それとは別にAIにはご相談した事があります。


「題名が車内ポスターのコピーなんだけど、作品名にして大丈夫?」

 そう、私は「食べたらみんな仲間」のままで題名にしたいと最初は思っていたのです。


因みにAIからは題名を変えろと言われたましたし、キャッチコピーも提示されました。


 AIの役割としては「著作権などに関わる弁護士」さんというのをふりました。

「商標登録されていると、駄目です」

 などなどアドバイスをもらってWeb上で調べました。商標登録してるかどうかって、Web上で簡単に調べられるんですね。


 ポスターは公益社団法人ACジャパンのもので、ネットなどで調べてもらうとわかるのですが、認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえの食堂支援についてのキャッチコピーでした。


 商標登録はされていなかったし、他に調べたことから判断してそのまま使っても大丈夫だとはおもったんですが、「みんな」を「皆」に変えて「、」もいれました。


 全く同じにしなかったのには理由があります。

「食べたらみんな仲間」でWeb検索した時に、ACジャパンの広告と並んで万が一にもこの小説でたら、なんか駄目な気がしたからです。


あちらは真っ当な社会活動をしていらっしゃいます。この小説は駄目な人間の話です。だから、なんか同じにして並んじゃいけないような気がしたのです。


で、今の題名となりました。




蛇足

 因みにGeminiに提示されたキャッチコピーがこちら。


「食べたら、仲間。骨の髄まで、全部仲間。――その村の料理は、あまりにも美味すぎた。」


 くっそー、なんかすごく納得しちゃったけどキャッチコピーにするもんか。なんか負けた気がした。

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