俺の親友は乙女ゲーの主人公!?
@pumota
出会い編
第1話 異分子
俺、
俺の両親は早くに亡くなっていたし、恋人や家族もいない。だから、ある意味すっきりした気持ちだった。だが、次目が覚めた時、俺は
「ここは、俺は…そうだ俺は鳴海 翔だ。でもどうして急に記憶が……」
俺は記憶を整理していた。まず俺の年齢は6歳小学一年生になる。今は入学式の途中だ。両親は優しく俺の前の両親と似ていい両親だ。この世界は前の世界とほとんど変わらない。なんだか少しファンタジーとか期待していたのでショックである。
それはそれと記憶を整理していたが隣が気になって仕方ない。女の子がずっとに泣いているのだ。見るからに将来可愛くなる感じの女の子だ。
「ほら手、にぎって」
俺は手を差し出す。俺も良くこうして手をつないで母さんに安心させてもらっていた。
「え?何で?」
「何でって、二人なら怖くも寂しくもないだろ?」
女の子は俺の言葉を聞き恐る恐る手を取る。そしてにっこり花が咲いたように笑う。
「うん!怖くない!」
これが俺と
これは乙女ゲーの幼馴染攻略キャラクターとの始まりのはずだった。本来なら後ろにいた男の子
それから俺と里奈が出会って9年がたった。
「翔起きなさい!」
「うーん、もう少しだけ…」
俺は声の主に少しの猶予を願う。
「却下!」
無理矢理布団をはがされる。
「ああ、俺のディストピアが!」
「なにが、ディストピアよ!起きなさい!学校遅れるわよ!」
「へーい」
俺は声の主里奈に起こされいそいそと準備する。
「里奈ちゃん毎日ありがとうね!」
「いえいえ、親友ですから」
俺の母さんと里奈は仲がいい。というか家族ぐるみで仲がいい。
「母さんご飯」
「はいはい、不肖の息子少し待ちなさい!」
「もう、作ってもらってるんだから偉そうにしないの!」
「どうかどうか俺にお恵みを母上!」
「極端!?」
こんな感じでいつも里奈に起こしてもらっていつも朝から騒がしく過ごしている。
「もう、入学式の日ぐらいちゃんとしてよね?」
「ほいほい、いつも感謝しています。親友様」
「ほんといい親友を持っていること感謝しなさいよ!」
「じゃあ、母さん行ってくる」
「おばさん行ってきます!」
「はい、行ってらっしゃい」
俺と里奈は歩いて近くの高校に入学した偏差値は高めだが俺は前世もあって割と余裕だった。だが、里奈は苦労した。俺も手伝った。レベルを落とすように言っても翔一人だと心配だと言って聞かなかった。こうして無事受かり、俺と一緒の高校に通っているわけだ。
ここも本来は幼馴染攻略キャラの本城 太一によって勉強を教えてもらい高校入学という流れだったのだが、出会いのフラグを奪っているため翔が教えることになったのである。
ただ、仮にフラグを奪ってなかったとしても、太一とはここまでの関係にはならないのだが。
「高校近くてよかったね?」
「ああ、それだけの為に受けた部分もあるからな」
「もう、ほんとぐーたらなんだから」
「うるせ」
そりゃ、前世であんだけしこたま働いていたら多少ぐーたらにもなるわ。
「それより、お前勉強本当に大丈夫か?」
「問題ないよ。だって困ったら助けてくれるんでしょ?」
「まあ、そりゃな。親友だしな」
「はあ、ありがと」
「何でため息なんだ?」
「ははは、気にしないでちょっと寝不足なだけ」
「ならいいけど」
里奈はよくため息を吐く。よくわからんが寝不足は肌によくないな。
「昔みたいに手をつなごうか?」
「い、いいよ。もう」
顔を赤らめて否定する。まあ、子供じゃないしな恥ずかしいか。
「へーい」
そうして歩いていると校舎が見えてくる。
「ついたね!」
「ああ」
そうして、入ろうとすると不審者見たく高校を覗く男子がいた。
「触らぬ神になんとやらだな」
「そうだね」
二人の意見があった。通り過ぎようとするとこちらに気付いて里奈向かって近づいてくる。
「あの!ここってこの高校でしょうか!」
そういってパンフレットを見せてくる。載っているのは確かにうちの高校だ。
「そ、そうですけど?」
里奈は引き気味で答える。
「俺かなりの方向音痴で自信がなかったからよかった!」
これがフラグを奪われた攻略キャラクター本城 太一との初めての
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