3
ーーガッ
ーードッ
ーーゴッッ
!?
裏道を進めていた足がゆっくりになる。
「おいもう終わりかよ?」
「なんだー聞いてたより弱ぇなあ?」
「黒崎も落ちたもんだよなぁ?」
明らかにヤバそうな男たちの声。
恐らく進んだ先にある廃墟の小さい倉庫から。
おいおいおいどうする。バレないよね。下向いて歩けばバレないよね。
フードを被り下を向き足音を立てないように通り過ぎる。
横目にチラッと倉庫の中を見た。
3人の男と、地面に伏せている1人の男。
ああ。イジメか。
こういうの………大嫌いだ。
バレずに通り過ぎたけれど、沸々と何かが沸き、来た道を戻ろうとする足。
気付けば、倉庫に入り男たちの背後に声をかけていた。
『おい、なにしてんだ』
「!?」
3人が一斉に振り向く。
「誰だ?オメー?」
「黒崎んとこのか?」
「ありがてえなぁ。もう1人潰せば顔が立つぜ」
ニヤリとした男たちの目がこちらに向いている。
伏せている男は微動だにしない。
『殺したのかよ』
息を吸ってゆっくり吐きながら低い声を出す。
「あ??あーあこいつ?どーだろうなあ?」
「おーい息してるか?」
1人の男が伏せている男の頭をガッと蹴る。
それと同時に私は動いた。
ーーシュッ
ーードッ
「うっっっ」
蹴った男は腹を抱え倒れ込んだ。
「なっっ!」
ーーシュッ
ーーゴッ
それに驚いた男の肩を持ち捻り首を狙う。
『え?弱くね?』
ボソリと呟く。
残りの1人が静かに刃物を取り出し、背後から私を狙う。
呟いている間に遅れをとった私は、
『っっつ…おいまじか』
ーーグサ
肩に刺さった後の傷を手で確認し眉をひそめる。
正直なところ、本物の刃物は向けられたこともなかったので動揺を隠せない。
「フッ。弱えのはどっちだよ」
刺した男がすかさず殴りかかる。
ーーゴッッ
動揺していた私はそれを避けれず、頬で受け止めるしかなかった。
『ーっ……くそが』
「なんだってー?」
ハアハア…
ズキズキと痛む肩を上下に揺らし呼吸を整える。
こういう時のための護身術だろうが。何のためにやってんだよ私。
フラフラと立ち上がり戦闘態勢を取る。
「まだやんのか??死ぬぞ?」
『かかってこいよクソ野郎』
ああ、本当、何のためにこんなこと。
伏せている男が生きてるかもわからないのに。
残ったこの男が唯一3人の中で強かったらしく、手こずる私の背中をピカッとライトが照らした。
「『!?』」
男も私もピタリと動きが止まる。
その瞬間を狙い、首にきめ、男が倒れる。
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