工業高校の男の娘

御厨朔

はじまり

地元の進学校が嫌だったので少し遠い工業高校に入った。


中学での成績は悪くないが地元の進学校は勉強三昧の日々、とてもじゃないが耐えられない。いわゆる「自称進学校」と呼ばれるやつだ。地元では「そこに入ればエリート」ばりの評判だが実際には良い大学に入る人は数人程度との噂。


だが工業高校はイメージとは裏腹に地元の国立大学に推薦で簡単に入れるとの情報を中3のときの担任に言われた。成績さえ良ければ就職も進学も選択の幅が広いのも決め手だった。


あとは女子が少ないからだ。中学時代やたら女子にダル絡みされることが多かったがそのせいであまり男子とは遊べなかったし、恋愛にもそんなに興味がないし。男子ともバカみたいに遊びたいという訳だ。


ネットでよく見る話だが工業高校はほんとに女の子が少ない。そういえば入試のときもほとんどいなかった。僕の入った学科には78人中2〜3人程度しかいない。


そして、中学時代の友達は全くいない。


そんな全く新しい環境で僕の高校生活が始まった。







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