第18話 私は不良を辞めたいんだ
私は芽郁とお姉ちゃんを見る。
お姉ちゃんはしゃがみながら杏奈ちゃんを見てから「杏奈ちゃん。...姉ちゃんは好きか?」と聞く。
すると杏奈ちゃんは頷いた。
それから柔和な顔をする。
お姉ちゃんは「そうか。私も家族は大切だ」と笑顔になる。
杏奈ちゃんは照れくさそうに頬を掻いた。
「...私な。杏奈ちゃん」
「?」
「君の障がい特性の理解がまだ進んでない。だから...何かあったら是非私を頼ってな」
「!」
杏奈ちゃんはビックリしながらお姉ちゃんを見る。
お姉ちゃんは笑みを浮かべながら「頼む」と話した。
杏奈ちゃんはまた頷いた。
それを見てから居ると「その」と声がした。
芽郁が「早速だけどアンタに聞きたい。実は」と切り出す。
「?...どうした?」
「...仲が悪い女子が居るんだ。そいつと分かち合いたいんだけど。アンタなら何か知らないか?」
「ああ。...そうか。話をするきっかけが欲しいって所か?」
「そうだな。アタシは...」
「きっかけは不意には来ない」
その言葉に顔を上げる芽郁。
それからそんな芽郁の顔を見るお姉ちゃん。
そして「その人は仮にも話は通じるか?」と聞く。
「話っていうか...もう関係性はめちゃくちゃだ」と返事を芽郁は眉を顰めながらした。
「...春風もいじめられている」
「そうか」
「...アンタのアドバイスが欲しい」
「私がアドバイスするならきっかけは簡単には来ない。だから此方から接近して交渉を持ちかけ話しかけるしかない」
「ああ。やっぱアンタもそう思うか?」
「私はな。...相手側とはトレードの用意が必要だとは思う」
その真剣な言葉に芽郁は「...だろうな」と返事をする。
それから芽郁は「私はソイツは最低野郎だと思う。だから分かち合うのは無理だとは思う。だが...最後まで交渉は続けたいんだ」と顔を上げた。
芽郁の言葉に「...そうか。根っから優しいな。芽郁さんは」と柔和な顔を浮かべるお姉ちゃん。
その言葉に芽郁はそっぽを向いた。
そして「別に。アタシは...優しい訳じゃない。単に...私は居場所が居心地わりぃからやってられねーって話だ」と答えた。
「それは優しさだよ。...芽郁さんなりのな」
「...」
「芽郁さん。背負い込みすぎるなよ」
「え?」
「君は背負い込み過ぎだ」
その言葉に「...それは春風にも言われたよ。アタシってそんな背負い込み過ぎてるかな」とポツリと芽郁は言う。
するとお姉ちゃんは「ああ。私は貴方の荷物を半分背負うよ」と言ってから芽郁の頭を撫でた。
芽郁は「...」となってから「人に配慮するのは癖なんだ」と切り出した。
お姉ちゃんは「だろうな」と返事をする。
「...君はあくまで配慮しまくっている様に見えるしな」
「!」
「だから私は君が心配だ」
「...」
芽郁は「...聞いても良いか」とお姉ちゃんに芽郁は向いた。
お姉ちゃんは「ああ。どうした」と聞く。
すると芽郁は「私は保母さんに向いてるか?」と話した。
その言葉にお姉ちゃんは「充分向いてる」と間髪入れずに答えた。
芽郁は「...それともう一つ聞きたい」と自らの耳にあるイヤリングをゆっくり触る。
「アタシは不良を引退したい。今の立場を捨てたいんだ」
お姉ちゃんと私は驚く。
それ以外にも杏奈ちゃんもビックリしていた。
お姉ちゃんが聞く。
「どうやって不良を引退するのか聞きたいのか?」と。
芽郁はゆっくりイヤリングを外した。
それから芽郁は「アタシは...不良になりたい訳でなった訳じゃねーから」と話す。
「...成程な」
「だからアタシは春風に出逢った今。不良を引退したい」
「...私は無理には引退する必要は無いと思う。だが君が本当に引退したいなら別だが」
そうお姉ちゃんは言った。
まさかの答えだったのだろう。
芽郁は目をパチクリする。
それから「どういう事だ?」と聞いた。
お姉ちゃんは静かに芽郁を見る。
「...君は...不良という今の自分が好きで不良のままで居たい気持ちは無いのかって話だ」
「ああ。そういう系か。無いな。...アタシは春風という友人を見てから思ったんだ」
そして芽郁はジッと私を見る。
それから私に笑みを浮かべてからお姉ちゃんを見る。
お姉ちゃんは「...」と考えていたがやがて柔和になってから芽郁を見た。
「そうか」と呟いてから柔和な対応をした。
「私に引退のコツを教わるならビシバシいくぞ?」
「...アタシは覚悟の上で引退を、そうしたい。春風と杏奈の為にな」
「...そうか。分かった。ならビシバシしごいてやる」
それからお姉ちゃんはそう言いながら「しかし保母さんか。良いじゃないか。私は応援してるよ」と笑みを浮かべた。
芽郁は「アイツが。春風が言ってくれた。こんな私に。本当に...アタシは春風に救われた」と言う。
そして「だから不良を引退したいんだ。保母さんになれないならアタシは障がい者支援に関わりたい」と強く要望した。
私はその言葉に目をパチクリしながら居るとお姉ちゃんは「...やっぱりそんな外見だろうが私の見る目は間違って無かったな」と話した。
「君はなれるよ。そういう関係の仕事をする人に」
「...ああ。サンキューな」
それから私を見る芽郁。
そしてお姉ちゃんも私を見る。
「素晴らしい友人を持ったな」と私に言うお姉ちゃん。
私は頷きながら「うん」と返事をした。
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