小さな嘘、大きな愛―― 母と子を結ぶ、ひとしずくのやさしさ

 「のーらい・のーらいふ」は、“嘘”というたった一つの言葉が、こんなにも優しくも切なくも人を包み込むのだと教えてくれる物語でした。

 マサナオの語る日々は、心にそっと触れるような細やかな描写に満ちていて、母と子の絆のかたち、人生の幸せについて静かに問いかけてきます。日常にひそむ小さな秘密や、すれ違う心の揺らぎ――“幸せ”の正体とは何か、自分自身に問いかけずにはいられません。

 ふと優しい気持ちになりたいとき、ぜひ手に取ってみてほしい作品です。

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