『テングザルのテンちゃん』
夢月みつき
本文「テングザルのテンちゃん」
ある猿のお山にテングザルのテンちゃんが住んでいました。
テンちゃんは、天狗のように鼻が長いのでテングザルというのです。
ある日、テンちゃんはふと夜中に起きてしまいました。
その日のテンちゃんは本当に寝ぼけていたのです。
起きたばかり、寝ぼけまなこで何となく自分の鼻を触ってみます。
ふにふに、鼻を触ります。
そして、いつもと同じなのに自分の顔に変なモノが付いていると突然焦り始めました。
「ああっ、大変、ボクの顔に変なモノが付いてる! 取らなきゃ」
何を思ったのか、テンちゃんは自分の鼻を掴んで引っ張れば取れるものだと思い込んでしまいました。
本当にこの時、テンちゃんは物凄く寝ぼけていました。
ぎゅ~、ぎゅ~!
引っ張っても取れるはずがありません、それどころか取ろうとしているので痛いし、心なしか鼻が伸びて来ているように感じられました。
「ふぎゃあ~! 取れない、鼻が痛い、どうすればいいの!?
テンちゃんのただならぬ叫び声を聴いてお母さんが飛んできました。
「テンちゃん! どうしたの、お鼻引っ張ったらダメでしょ」
「だって、母たん、ボクの顔にこんな長くて変なモノが!」
「大丈夫よ、変なものじゃないわ、お母さんのお鼻も同じよ、このお鼻は私たち、テングザルの誇りなの」
お母さんに優しく教えられたテンちゃんは「あっ、そっか~、良かった……」そうつぶやき安心すると、コテンと横になり眠りについた。
お母さんはホッとして落ち葉のお布団を掛け直してくれました。
おわり
最後までお読みいただきありがとうございました。
こちらにも童話があります、良かったらよろしくお願いします。
「夢の月🧸童話短編集」
https://kakuyomu.jp/works/16818093074140338762
「🐇童話(児童文学)コレクション」
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『テングザルのテンちゃん』 夢月みつき @ca8000k
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