SFとファンタジーが高度に融合した独特な世界観が舞台だ。宇宙人やエルフが共生し、スマホと魔法が共存するカオスな環境を、自称コミュ障オタクの主人公・時澄がドライな筆致で綴る。市役所業務や「無銭飲食での切腹騒動」といったシュールなコメディの裏に、彼女を数千年も追い求めた男の執念や、街で頻発する神隠し事件といった不穏な謎が潜む重層的な構成が魅力である。緻密で一風変わった異世界設定を楽しみたい者や、軽妙な独白形式のコメディとシリアスな謎解きの両方を求める読者に推奨する。