藍良蒼「尋問2-2」


貴方は自分の知りうる情報を洗いざらい話してしまった。


「随分と素直に話してくれるね…。やっぱりお風呂は命の洗濯とも言うし、効果あるんだね!」


尋問官は少年のように無邪気に笑う。

貴方は濡れた身体で震えながら尋問官を力無いまなこで見る。

身体の震えは寒いからか、それとも仲間を裏切ったからなのか貴方には分からない。


「他の尋問官との照らし合わせも終わったし、これで今日の仕事は終わりだ〜」


濡れた服の不快感と共に、部屋に響く尋問官の気楽そうな声に貴方は怒りを滲ませる。

そんな貴方の怒りを知ってか知らずか、尋問官は気さくに声をかけてくる。


「う〜ん、やっぱり今日は紅茶の入浴剤に入ろうと思うんだけど、君はどう思う?」


どうでもいい…。

貴方はその言葉を無視する。


「はぁ〜、無視するなんて悲しいよ…。これから君は牢屋に戻されるんだから、愛想ぐらい良くしてもいいじゃないか…」


尋問官は貴方の拘束を外しながら、ため息をつきぼやく。

そして貴方は牢屋に連れて行かれる。


「おやすみ、良い夢を…」


尋問官は優しげな微笑を浮かべながら、立ち去っていく。

貴方は震えるその身体を横たえる。

静かに貴方は独白する。

貴方に返すのは冷たい地面だけ…。

震える身体は怒りか、哀しみか、それとも寒さか…?

貴方はそっと意識を手放す。


◆◆◆


コメント:なんか気さくな感じ?

コメント:十分恐ろしい

コメント:風呂好きなのは分かった

押花咲季:ボクは成分重視かなぁ…

N-36:命の洗濯って物理的に…?

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