第5話:守る者の光
空が夕暮れ色に染まり、街にほのかな光が残る。
翼竜の鳴き声が遠くに去りつつある中、民間人は避難所に身を寄せていた。
瓦礫の間を吹き抜ける風が、破壊された街の匂いを運ぶ。
「遠隔では間に合わない……直接行くしかない」
少年らしい緊張が心の奥に滲み、人々を守る気持ちが静かに燃え上がる。瓦礫と恐怖に立ち向かう覚悟を、彼は静かに確認した。
現場では服部が隊員たちを指揮していた。カナタが到着すると、一瞬の安堵が生まれる。
「頼む!月神子」
服部の言葉に軽く頷き、手のひらに光を集める。
瓦礫を押しのけ、怪我人を癒す光は、普段よりも強く、周囲に圧を感じさせるほどだった。
光の軌跡が瓦礫に反射し、薄暗くなった街に淡い希望の輪を描く。
翼竜の群れはまだ空を旋回しているが、徐々に去っていく。カナタはゆっくりと呼吸を整え、民間人の安全確保に瞬時に動き出す。
「服部、あそこの建物にまだ閉じ込められている人がいる!」
服部はすぐに隊員を配置する。
二人は息を合わせて民間人を救出して行く。
戦闘の合間、服部の視線を感じ、顔を向ける。
「……おまえ、いつもこんなに力を出すのか?」
「必要な時だけです」
そう言って笑みを浮かべた。
「そうか…」
服部は静かに微笑む。
翼竜の群れが去り、夜の静寂の中、二人の連携は以前より自然になり、互いの信頼を確かめ合った。瓦礫の影に小さな光の輪が揺らめき、民間人たちの表情にもわずかな安堵が生まれた。
服部はそれと同時に思っていた。
カナタ……君の力は…。
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