第5話 囮役
◇オグルス大迷宮 3時間後◇
「ん…あれ?俺寝てたのか」
あの
「やっと蓮兎君起きた!心配したんだよ?!」
「ん?鏡花さんか」
「だからさんは要らないって!」
あぁ良かった。こんな状況になってもこの会話だけはいつもの日常と同じだ。周りを見渡すと死体死体死体…たまに生存者って感じか?何故だろう、死体を見ても何も感じない…悲しく無いし怖くも無い。
「蓮兎君?」
「ごめん何でも無いよ、それで何人生きてる?」
「う〜んとね…私達含めて13人だよ」
「クラスが元々42人で29人も死んだのか…」
俺が守れたのは2人だけ…もっと俺がスキルの扱いに慣れていれば、もっと俺が速く動けたら、もっと俺が強ければ…いやそんなこと考えても意味無いか。今は兎に角生き残れたことを喜ぶとしよう。
「それでね?今作戦会議してたんだ」
「作戦会議?」
「うん!まぁもう3人は勝手にどっか行っちゃったんだけどね…」
ずいぶん身勝手な奴らだな。多分あいつらだろうと予想は出来るけど…鬼塚と姫乃は確定だろうな。
「今2つの意見で割れてるんだけど蓮兎君ならどっちが良い?少人数で行動か全員で行動」
普通に考えれば全員で行動した方が良いよな…でも魔物の
「ちなみに鏡花と誰が生きてる?切山とか快は?」
「その2人とも生きてるよ!あとは山本君とか上嶋さんとか…」
話を聞くより鑑定眼で見た方が早いか。ふむ…剣士や盾使いの前衛が5人…ん?何か2人走って行ってね?!
「ごめんけど私達2人で行動するから〜!」
「上嶋さん?!」
…前衛2人、中衛2人、後衛3人になってしまった俺を含めると後衛4人になるけど。よし!俺が囮になってヘイトを稼ごうかな。
「俺単独行動して囮になるよ」
「え?蓮兎君何言ってるの?!だめだよそんなの!」
「この中で1番1人で行動しても死ぬ確率が低くてそこそこの実力があるの俺だけだろ?レベルアップしてスキルポイント獲得したから
そんな魔法があるのかは知らないが今はどうでも良いか。単独行動は今の俺の違和感を探すためもあるんだけど…まぁ心配されるのは悪い気はしないけどさ?
「お前単独行動するとか馬鹿じゃねぇのか?!」
「ん?何だよ快、助けてあげただろ?それに俺はアイス奢られるまで死ぬ気は無いね」
ほぼ強行突破だが単独行動を開始するために深く続いていそうな横穴に入る。中は暗いが見えないほどでは無かったな。
「今日から俺の
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