蝙蝠は太陽に恋をする
鈴懸
第1話 出会い
この世界は大きく四つの大陸に分かれ、各大陸を力のある魔性が支配していた。
人と人外と魔性、ケモノや多種多様な生き物が混在する世界。
力のあるものが支配する弱肉強食の世界がそこにあった。
ここは東の大陸。
王の
夜明け、空が白み始めたころになると、
黙って立っていれば、ホワンとした感じの
毎朝、
その朝も
まだ、辺りは薄暗く、ひんやりとした空気が肌に冷たく感じられた。
「う~ん。まだ、朝は寒いな。昼間は温かくなって丁度いいんだけどな」
そして、塔の下のこんもりとした茂みから小さな足が二本出ているのを見つけた。
「…足?」
こんな時間に、こんな所に、足??
その足の正体は六、七歳ぐらいの男の子だった。
黒髪で全身黒づくめの服を着ていた。
「ねえ、大丈夫?」
クカ~と寝息をたてている。
「えっと… まさか、ここで寝ているの?どうして???」
この寒空の下、万が一、凍死でもされたらたまったものではない。
目覚めが悪くなるではないか!
が、
元々、小鳥の一族で飛ぶのは得意だが、非力だった。体型もお子様に近かった。
「よいしょっ! …重っ…、ちょっと、重いんだけど…」
「こんなに重たいもの、持ったことないわよ!」
ちょっとずつ、ズリズリと男の子の体が動いていく。
だが、男の子は引きずられても起きることはなかった。
時々、クカ~と息をし、気持ちよさそうに寝息をたてていた。
とりあえず、部屋にあった毛布をかけてやった。
一日の仕事をすべて終わらせた以上の労働だった。
「どこの子よ? 王宮に、こんな子、いたっけ?
こんな扱いされて起きないなんて…。どういう神経してんのよ⁉」
そして、この図太い神経の持ち主に対してイラッとしていた。
「ちょっと、こんな時間!やだ~朝ごはん食べる時間がなくなっちゃったじゃない!もう!間に合わない!」
朝の予期せぬ出来事のせいで、
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