消えていく光の先で、貴方を見つけた。
わなり
プロローグ
貴方の名前を呼ぶ声が聞こえる。
キラキラと星のように光るペンライトが貴方を見送るように揺れる。
貴方に向けた歓声と同時に、スポットライトに当たって輝いている銀テープが会場に降る。
ステージに貴方の影を映していた照明が少しずつ落ちて、薄暗くなった頃に、貴方は私をみて微笑した。
それが今をときめくアイドル、浅倉湊の最後の歌手としての姿だった。
これは、決して治ることのない病を患ったアイドルとその恋人である私の二人の話──。
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