ボーダーライン

愛彩

ボーダーライン

『友達のゲロが腕にかかってしまって。』


男性から、そんな連絡が来たのだ。


その夜、彼との電話で詳細を聞いた。


『僕は大丈夫だよ、と彼女に言ったよ。

 内心は、そんな事はなかったけどね。

 服はクリーニングに出したよ。』


私も、酒癖は悪い。

それは、彼も知っている。

ゲロを他人にプレゼントしてしまった

経験もあるので、正直にそれを話した。


『君のなら、大丈夫だよ。本当に。

 彼女は、そんなに親しく無い

 友達だったから。』


『君なら大丈夫』と言われて

特別感。

嬉しい、と感じる人も居るだろう。


私は、過去

『友達のゲロキャッチしちゃってさ〜。』と

ヘラヘラ話してきた男性の方が

素敵だと思ってしまったのだ。


前提として、ゲロをお迎えされて

嬉しい人なんて居ない事は分かっております。


誰かにプレゼントしておいてなんだが、

勿論、私だってゲロはかけられたくない。


私だから許せる、人

よりも

元々許せる、人

の方が安心するのだ。


『許す』というよりも

人に対する?期待する?

バーが低い方がありがたい。



そんなことよりも

女性と飲みに行っていたのね。

彼氏彼女では無いので

何も言えませんけれども。


それでは

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ボーダーライン 愛彩 @omoshiroikao

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