第2話
「勇はブレないな、イケメンが嫌いなところとか」
「正明もイケメンだからな、ハーレム作ってないから嫌いではないけどさ」
「僕は色んな人にイケメンって言われるけど、なんでモテないんだろう……」
「オタクだからだろ」
本人は隠れてオタクをしているつもりだが、アニメのキャラクター下敷きと推しのTシャツを学校に着てきている時点で、ちょっと一線を引かれている。
正明の声色が変わる。
「勇は鋭いな、いつ、僕がオタクだと気づいていた?」
「高校に入る前から。というか高校の奴らは俺以外も気づいてるだろ。アニメキャラのTシャツ着てたり、授業中にアニメの事考えて呟いてるのとかな。だから成績悪いんだな」
「なん……だと……」
俺の席と正明の席は一番うしろで窓際、隣同士だ。
俺の聴覚だと普通に呟いていることも聞き取れるし、キャラクターの描かれた消しゴムと筆箱を使っている時点で気づいてないはずがない。
つまりは残念なイケメンなのである。
俺は教科書をカバンに入れると正明に声を掛ける。
「まあ、そんなことはいいか、準備終わったし帰ろうか」
「ど、どうでもいいんだ。……そうだね、帰ろう」
二人で教室を出ようとしたが、扉が開かない。
「は? なんで扉が開かないんだ?」
「ゆ、勇、あれ!」
正明が指差す方向を見る、窓の外が赤くなっているのが見える。
この現象は見たことがある。
異世界に召喚されたときに見た現象だ、空が赤くなったと思ったら、光に包まれて異世界に召喚された。
「……最悪だ」
俺の言葉を最後に、俺達は光に包まれた。
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