絵を描き始めたことで、いつもの帰り道や夕焼けの風景が違って見えてくる描写が印象的で、世界との距離が少しずつ変わっていく感覚に引き込まれました。不思議な出会いをきっかけに語られる言葉は、どこか可笑しさを含みながらも現実的でした。その中で重ねられていく想いが、最後にはとても静かな言葉へと収束していく流れが心に残りました。迷いや不安を抱えながらも、何かを続けようとする姿勢が、そっと余韻として残ります。読み終えたあと、身の回りの景色を少し丁寧に見てみたくなる、そんな感覚を抱きました。