当ての馬道
水嶋
第1話
「今度のターゲットは岩見先輩か?」
「ターゲットとか人聞悪い事言わないでよ」
「他に適切な表現が出来んだろ」
「私は人の恋路にスパイスを与える恋のキューピッドなんだから」
「人の恋路を邪魔する恋の悪魔だろ…」
私、佐倉莉愛は他人の恋の噂をいち早く察知して介入をする事に生き甲斐を感じている。
言わば世間で言う所の当て馬と言うやつだ。
恋愛マンガ等の物語における読者からのヘイトを一身に受ける事に喜びを感じるある種ヘンタイだ。
相手は誰でもいいと言う訳ではない。
・まず第一にイケメンである事。
これは絶対に譲れない。
・第二に適度にチャラい事。
多数相手にしてる様な奴。もしくは来る人を拒まずな身軽さ。
・第三にもしかして近い内に本命が出来るかもと言う事。
この辺りのリサーチするネットワーク構築には自信がある。
最後までチャラいままだと終わりがない。
この条件に当てはまる奴に近づき、本命一筋になる前に引っ掻き回す。
勿論取り巻き1に入る為の努力は惜しまない。
ヘアメイク、ボディーメイク、果てはプチ整形もしている。
上手くいけばイケメンとキスやエッチも出来る。
そこに愛は必要ない。名前に愛は付いてるけどね。
ただ、私もその相手と付き合っている間は本気で女優にでもなった気持ちで好きになってるつもりになる。
相手の本命かもって女に嫉妬させる様にわざと色々見せ付けたり匂わせたりする。
2人が私のせいで悩んだりすれ違ったりするとゾクゾクする。
相手の女が私が本命だと勘違いしていたりすると、まるで大穴でも当てた様にアドレナリンが噴出する。
私が2人の物語のキーマンになってる時が自分の存在に価値を見出せる。
SNSなんかで自己アピールして認証欲求を満たしてるのと近いかも知れない。
正直相手が本命とくっつこうが、私に寝返ろうがどうでも良い。結末が見たいだけだ。
私に傾いたら自然にフェードアウトして消えている。
「莉愛はホント歪んでるよなあ。」
「安心して。謙人の事には首突っ込まないから」
「まあね。俺イケメンじゃないからその点は安心してますよ。彼女作るの大変だったんだからね。」
謙人は子供の頃からの腐れ縁だ。
私の癖を熟知しても尚且つ、付かず離れずの関係を保っている。
何故か大学まで一緒にいる。
「莉愛の家庭も至って普通だし、両親も普通なのになんでこんななっちゃってんだろなあ」
「さあね…多分サイコパスとかみたいに環境の影響でなくて生まれ持っての性質なんだろね。」
「いつか刺されるか階段から突き落とされるかしそうだぞお前…」
「それは中々当て馬の最後としてはドラマチックな終わりで良いね」
「まあ程々にな」
分かっておりますよ。引き際も立つ鳥跡を濁さずの精神でやっておりますよ。
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