第2話 横須賀爆弾事変(トミーとタペンス改め、タケシとツバサ)

 アガサ・クリスティの愉快な冒険小説『秘密機関』のオマージュだ!第一次世界大戦後のロンドンから、現代の横須賀(特に米軍基地や海上自衛隊がある場所)を舞台に移し、若き日本人コンビの冒険と、彼らの前に立ちはだかる謎の組織の首領「ブラウン氏」の脅威を描く。

​ キーワードは**「爆弾」と「極秘文書(現代の機密データ)」**だ。

​ 📱 令和の青年冒険家商会

​ 場所:神奈川県横須賀市、ドブ板通りのレトロなカフェ

​ 人物:竹下 たけしたたけし、通称タケシ(25歳、トミー役)と、翼 椿つばさつばき、通称ツバサ(25歳、タペンス役)

​ 久々に再会を果たした幼なじみのタケシとツバサは、大学卒業後、就職に失敗し悶々としていた。

​「もういいや、タケシ!私たちで何か始めようよ!名付けて**『令和 青年冒険家商会(YOKOSUKA YOUTH ADVENTURE AGENCY)』**だ!」

​ ツバサはそう言って、ドブ板通りのカフェでコーラを一気に飲み干した。タケシは少し引っ込み思案だが、ツバサの行動力に引っ張られるタイプだ。

​「冒険家って……何をやるんだよ、ツバサ?」

​「報酬を稼ぐのよ!何でも屋!幸運の女神は私たちに微笑むはず!」

​ その直後、まるで脚本通りに、カフェの隅に座っていた厳ついスーツ姿の男が彼らのテーブルに近づいてきた。

​「ふむ。『冒険家商会』ですか。面白い。早速ですが、あなた方に依頼したい仕事がある」

​ 男は**「海上安全保障庁の影の組織の者だ」と名乗り、報酬として「一週間で500万円」**を提示した。

 💣 依頼と偽名、そして暗転

​ 依頼内容は、「横須賀周辺で暗躍するテロ組織に奪われた、ある『極秘データ』**の回収」**だった。

​ 翌日、ツバキとタケシは、依頼人の指示に従い、横須賀中央駅近くの雑居ビルにある男の**「臨時事務所」**を訪れた。

​ 緊張感あふれる事務所で、ツバサはとっさに偽名を使うことにした。

​「わ、私、**『藤野 ジェーン』**と申します」

​ ツバサは、とっさに昔見た海外ドラマで聞いた名前を思い出し、少し訛った日本語でそう告げた。その名を聞いた瞬間、事務所にいた依頼人とその部下の顔色が一斉に変わった。

​「……な、なんだと? 『藤野 ジェーン』?」

​「その名前は……まさか、**10年前の『横須賀港・爆弾輸送船沈没事件』で、国際情報機関のエージェントから『極秘起爆コード』**を託された、行方不明の日本人女性の名前だぞ!」

​ 10年前、外国籍の爆弾輸送船が横須賀港沖で謎の爆発を起こし沈没した。その船には、極秘の国際条約文書ではなく、「日本の防衛機密に深く関わる**、起動したら止まらない新型爆弾の**『解除コード』**データ」が搭載されていた。それを沈没寸前に託されたのが、当時、船に乗り合わせていた「藤野 ジェーン」**という女性だとされていた。

​ ツバサがたまたま名乗った偽名が、現代の横須賀を揺るがす巨大な機密に直結してしまったのだ。

🕶️ 情報局の介入と「ブラウン氏」

​ 依頼人はすぐに態度を変え、ツバサとタケシを**「海上安全保障庁」の特別情報局員**として正式に協力させることにした。

​「あなた方の幸運は、単なる偶然ではない。ツバサさん、あなたは**『藤野 ジェーン』を捜すための『鍵』**かもしれない」

​ 情報局の協力を得て、「藤野ジェーン」の捜索と、彼女が持つとされる**『爆弾の起爆解除コード』**のデータ確保に乗り出すタケシとツバサ。

​ しかし、彼らの前には、既にデータの入手を狙う謎の国際犯罪組織が立ちはだかっていた。

​ その組織の首領は、一切の素性が不明な**「黒い影」**のような人物。

​「首領は、我々の情報ネットワークの中で**『Mr.ブラウン』と呼ばれている。彼は横須賀の全ての裏組織を牛耳り、彼の配下は、『爆弾』の扱い**に長けている」

​ 情報局員の言葉に、タケシとツバサは震え上がった。単なる小遣い稼ぎのつもりだったのに、いきなり国家機密と、「Mr.ブラウン」という日本名を持たない国際的な悪の支配者と対峙することになってしまったのだ。

​「フフフ……ツバサ、君の偽名のおかげで、私たちの冒険は、いきなり**『爆弾級』**になっちゃったみたいだね!」

​「タケシ、震えてないで!ここは横須賀よ!どんと構えなきゃ!幸運の女神は、逃げない者に微笑むんだから!」

​ タケシとツバサの、令和の横須賀を舞台にした、爆弾解除コードを巡る冒険が今、始まる!

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