第3話

というわけで、早速ダンジョン関連の店へ来ました!


市役所から、大体10分くらいの距離にあるお店です!


この街で最も評価が高い店であるため、実は結構期待しております!


…はい、少しふざけました。すいません。


心の中とかチャットだとテンション高めなんだけど、リアルじゃあんましそういうことできないんだよね。


単純に恥ずい。


「いらっしゃいませ〜!」


お店の方が元気な声で迎え入れてくれた。


今はお客さんも少ないし、店員さんにどんな武器がおすすめか聞いてみるか。


あまり人と話すのは得意ではないが、1人だけで選んで後悔するのも嫌だしな。


「すみません。まだ何も知らない初心者なのですが、良ければどのような武器が良いのか教えていただけませんか?」


「えぇっと、いちばん人気なのは片手剣と盾ですね。ですが、個人によってそれぞれの武器への適正が違うので、一概にも言えません。地下に体験場がございますので、良ければ行ってみてはいかがでしょうか?場所が限られているため、1時間毎に6000円の使用料をいただいておりますが…」


「なるほど。では、地下へ行ってみます。


教えていただき、ありがとうございました」


 よし、いいことが聞けたな。2時間くらいなら1万円ちょいだし、とりあえず地下でそれぞれの武器がどんな感じか、使って確かめてみよう。


 とりあえず、全部の武器を使ってみて、メモ帳にそれぞれの特徴などをメモしてみるか。


―――――――――――――――――――――――――――

・大剣…とにかく重い。満足に振ることもできないくらい。

 ステータスを入手したら多少は変わるのだろうが、俺が振っても、最初の方のモンスターに手こずりそうだ。

 最初に躓くのも嫌だし、これはなし。


・片手剣…ザ・普通。

 片手で扱うには少しだけ重いかもしれないが、まったく振るうことができないというわけでもない。

 盾も装備できるし、重装備を使うならこれが一番いいかもしれない。

 けど、受け続けてもいつかは死んでしまう。

 ソロでやるなら回避に重きを置くのが1番だという俺の直感に従い、片手剣はなし。

…後、なんか俺に合わない気がする。


・短剣…かなり軽く、振りやすいが、いかんせんリーチが短い。

 片手剣は70cmほど、大剣がその2倍の140cmもあったのに、こちらはたったの30cm。

 サブの武器として使うには一番いいだろう。

 メイン武器にするのは控えたいな。絶対に被弾しまくる。


・手甲…短剣よりもさらにリーチが短い。

 その代わり、防御力も上がるし、自分の腕だから使いづらいとかもない。

 武器と一緒に装備するのが一番良さそうだ。

 武器がなくなっても対処できる可能性が出てくるしな。


・槍…長い割には予想以上に軽く、リーチも長い。

 横薙ぎに振るって距離を取ったり、突きをしてダメージを与えたりと、動きが単調で、遠心力も乗るため扱い易い。

 しかし、単調であると、攻撃が読まれやすいため、少し気をつけた方がいいかもしれない。


・刀…重さ、リーチともに悪くはない。

 しかし、剣よりも「切る」ことに重きを置いているからか、刃筋がしっかり通っていないとまともに切れないし、折れる可能性も高いと聞く。

 戦闘中に俺がそんなことを考えられる気もしないし、使うのはやめておこう。


・槌…大剣と似ているが、こちらのほうが先端に振り回される感覚がする。

 だが、打撃ということもあり、大剣よりも少しだけ攻撃力は高そうだ。

 まぁ、大剣と同じ理由で不採用になるけど。


・弓…時々的に当たりはする。

 しかし、命中率は3割程度。攻撃力もあまり高くはなさそうだし、ソロ向きではないかもな。

 誰かとやるのなら良いのかもしれないけど…友達がいなくなった人にどうしろと?


・魔銃…見た目はリボルバー。

 重さは思ったよりズシッと来る感覚。

 魔力を持っていないので、他の人が試用しているのを見ただけだが、威力はまぁまぁ高そうだ。

 なお、値段は他の武器よりも圧倒的に高い。


・大鎌…刃が内側にしかないのが少し使いづらい。

 両手で持つこともあり、強くないというわけではないが、微妙だ。

 重さは大剣と同程度。大剣と同じく、重さの問題で不採用。


・薙刀…こちらも槍と同じ感じで、リーチ、重さともに使いやすい。上の方を持てば刀っぽくも使える。

 ただ、刀と違って遠心力も多少乗るため、刀よりも刃筋を通しやすく、切りやすい。

 槍よりも変化をもたせることができそうだし、長柄の武器だったら、こっちのほうが良さそうだ。


・片手斧…片手剣よりも攻撃力は少し高くなるが、槌と同じく、やはり少し先端に振り回される。

 どっちを選ぶかと言われれば、片手剣だな。どっちも使わないけど。


・レイピア…刺突特化で、刺突だけで言えば片手剣よりもかなり強い。

 しかし、刺突重視は、小さい敵相手だと苦戦してしまいそうだ。切った方が効率が良い気がする。

 それに、かなりの細さであるため、片手剣よりも折れやすいだろう。

 装備の更新をあまりしたくないし、片手剣を使ったほうが良い気がする。


・鉤爪…短剣と少し似ている気がするが、多段攻撃な分、こちらのほうが火力が出る。

 どこかに隠すことが出来れば、奇襲にも使えそうだ。

 隠すのは難しそうだし、良いのが見つかるまで使わなくてもいいかな。


・杖…魔法をメインにするならこれ一択。魔法を使えるかわからないから、買うとしても後々って感じだな。

 物理方面?杖術を使えるかどうかってところだな。

―――――――――――――――――――――――――――


「――これで、あらかた触ってみたか?」


うーん。やってみた感じ、メインの武器に据えるのは、長柄武器がいいかな。


相手と距離を取れるし、威力も結構高い。


個人的に使いやすいと思った薙刀の方で行こう。


サブの武器は、今のところは短剣だけにして、お金が溜まったら魔銃も追加だな。


手札が多いと、絡め手も使いやすいし。


よし、買うものはある程度決まった。


時間はかかったけど、上に色々買いに行こうか。


階段を上がると、いつの間にかかなりの人間が来店している。


一見、30人近くはいるだろうか。


地下に人が増えてきたからだいたい予想できていたけど、これほどとは。


店内は結構狭めだし、早めに買って出てしまおうか。


「ご購入するものは決まりましたか?」


「はい。体験出来る場所を教えていただき、ありがとうございました。


今から、目的のものを探して、レジに持っていこうと思っていたところです」


「それは良かったです。武器と防具をお買い求めの際は、私達をお呼びください。


ショーケースからお取りして、レジへお運びいたします」


「わかりました」


 さて、必要なものを探すとするか。まず最初に必要なのは、怪我をしたときに必要な回復薬と、それを入れておくためのバッグ。


バッグは小さくて丈夫なものがいいな。


バックの方は、低級の魔物の皮で作られたウエストバッグが5万か。


あ、短剣もサブの武器として腰につけておくんだし、ホルスターがついているものを買わないと。


そうなると――8万円か。よし、これを買おう。


このバックの大きさだと、回復薬は5個くらい入れても大丈夫そうだな。


1個2万円の低級回復薬を4個、1個20万円の中級回復薬を1個買っておこう。


上級回復薬?200万なんて買える訳がなかろう。確かに効果は高いけど。


 ちなみに、バックの最高額は空間拡張機能付きのもので、8立米の広さなのに1000万近くの値がつけられていた。


本体は俺が買おうとしているものとほぼ同じ大きさだ。


誰が買えるんだよこんなん。いやまぁ、貴重さはわかるんだけどさ。


次は防具。金属鎧が15万、革鎧が10万。


どちらもダンジョン産の素材で作られたものだ。金属鎧は堅そうだが、動きが遅くなりそうで少し嫌だ。


攻撃なんざ、受け流すか避けるかさえすればいいのだ。よって、革鎧を購入。


薙刀は不人気な武器なのか、種類が少ない。


適当に、一番安い鋼鉄製のものでいいか。


これが10万。やっぱり、こういう危険物は高いな。仕方のないことだが。


こちらの最高額は50万。能力は攻撃、防御、精神の微上昇だ。


さっきのカバンと比べてすごい地味だな。


薙刀を使う人が少ないから、あまりいいものを仕入れていないのだろうか。


仕入れも安くはないし、それで売れなかったら無駄になるから、妥当ではあるけど。


短剣は5万。小さい分、薙刀よりも安いな。ありがたい。


最高額は200万。速度の上昇と、攻撃した相手に一定確率で麻痺の付与。搦手に最適そう。


…やばい、無限に見れてしまいそうだな。


他にも色々と見てしまう前に、ササッと店員さんを呼んで、武器と防具を取ってもらおう。


そろそろ店側の迷惑になりそうだし。


「すみませーん!武器と防具を購入したいのですが!」


「はい!どちらをご購入なさいますか?」


「10万円の革鎧と薙刀、5万円の短剣を一つずつお願いします。それと、薙刀を運ぶための細長い袋があったら買いたいのですが…」


「薙刀本体を買えば、鞘と一緒についてきますよ。それも含めて10万円です」


 お、ありがたい。


運ぶだけなら大丈夫とはいえ、抜き身のまま運ぶのは流石に気が引けるからな。


「それでは、お支払いの前に、探索者証の提示をお願いします。


探索者以外に売ってしまいますと、法律で罰せられてしまいますので」


 その言葉に反応し、すぐに財布から探索者証を取り出す。


それを受け取って、少し見ると、店員さんはすぐに探索者証を返してくれる。


「はい。確認できました。お会計38万円となります。お支払い方法はどうしますか?」


 かなり短かったけど、あんなもんでいいんだな。


もう少しちゃんと確認すんのかと思ってたんだけど。


なんか見分け方とかあるのかな?


「探索者証に口座を登録していますので、それで支払います」


「では、そちらの機器に探索者証をかざしてください」


 言われた通りにかざすと、ピッと音がなって、支払いがすぐに完了する。


予想よりもあっさりだな。いやまぁ、武器を選ぶのには時間がかかったのだが。


「はい。これで大丈夫です。


薙刀を運搬する際は、鞘をつけて、柄の部分を袋に入れて運搬してくださいね」


「わかりました。ありがとうございます」


 よし、必要なものはこれで買えたかな。


あとは、買った武器を使いこなすための練習だ。


装備だけを買ってそのまま潜ったって、敵に当てられずに死んでしまうのが関の山だ。


 確か市役所近くの教会支部の地下に訓練場があったはずだ。


そこでいくらか訓練を...待って、木刀とか買ってなかった。


これじゃ訓練とかできねぇじゃん。流石に実際のものを振り回すわけにもいかないし。


…良いや、明日にしよ。


今日は、薙刀を使っている人たちの動画を見て、動き方とかを軽く勉強するか。



後書き

最初の方でいえばよかったのですが、忘れてたので今回の話で。後書きでは、プチ解説というものを時々行います。

他の時は、こういう連絡であったり、そもそも後書きがなかったりすると思われます。

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