第2話
「受付番号、206番の方〜」
お、やっと俺の番だ。休みだからか、今日はやけに人が多いな。
俺の知り合いは誰も居ないことが救い…いや、俺を見たって誰もわからないのか。
俺が一方的に気まずくなるだけだな。
「本日は、探索者の登録でお越しいただいたということでよろしいですか?」
「はい」
「では、必要書類をお願いします」
探索者登録に必要なのは健康保険証や住民票などの本人確認書類のみ。
口座番号をその場で登録する場合だけ、必要書類に記入をして提出しなければならない。
今回、俺は両方とも提出する。口座から直接支払いできれば楽だしね。
法律の変化によって、未成年者でも、探索者であれば、高額な商品を買うときのみ口座からの直接引き落としでの支払いが許されている。
武器や防具、アイテムには数千万もするやつがある。だというのにそれを現金で持ち運ぶとか、流石に危なすぎる。
「…はい、確認できました。5分ほどで発行できますので、こちらで少しお待ち下さい」
「わかりました」
ダンジョン関連の技術が進んだためかはわからないが、書類の照会や、データベースへの情報登録をする時間が年々短くなってきているそうだ。
拘束時間がものすごく短くなるから、本当にありがたい。
父から聞いた話だと、20年前にはデータベースへの情報登録に1ヶ月以上かかっていたらしいからな。それが今じゃあ5分だ。
「――できました。こちらが、あなたの探索者証となります。ここからは、探索者に関する説明と注意事項をご説明させていただきますね」
今は亡き父の話を思い出している間に、探索者証の発行は完了していた。
5分も考え事をしていたつもりは無かったんだけど。まぁ、あんまり気にしなくていいか。
「まず、ランクに関する説明です。ダンジョン、モンスター、そして探索者には、大まかにF、E、D、C、B、A、Sと、7段階のランクが設定されています。
それぞれのランクも上位、中位、下位の3段階に、Sランクのみ最上位が追加されて、合計22段階に別れています。
基本、2段階変われば勝てないことが多いですので、お気をつけください。
ダンジョンのランクは階層の数、モンスターの強さは階層の深さによって変化します。ですので、上層はどこのダンジョンでもあまり難易度は高くありません。
無理をして潜り、その結果命を失うとしても、我々は責任を負いません。全て自己責任となります」
「次に、ダンジョン内で使用する武器や防具に関してです。
これらは、ダンジョン協会が認可している専門店へ赴き、探索者証を提示すれば購入可能です。支払いは、現金やクレジットカードの他にも、口座登録をしている探索者証で支払うこともできます。
また、武器をダンジョン外へ持ち出すこと自体は許されています。
ですが、緊急時や、使用を許可されている場所以外での使用、またはそのような素振りをしてしまうと、正当防衛以外では犯罪となりますので、お気をつけください」
「最後に、ダンジョンから産出されたアイテムに関してです。
ダンジョンから産出されたアイテムの所有権は入手した人にありますので、お近くの売却所で売却するのも、自分のものとして使用するのも、ご自由です。
ですが、鑑定であまりにも危険なものだと判明した場合は、機関から買い取り申請が来る場合もございます。
前例としまして、ある探索者様が持ち帰り、鑑定を依頼したポーションが周りにも感染する致死毒であったため、機関が買い取り、処分いたしました。
この申請に了承するかどうかは任意です。しかし、そのアイテムによって民間人の死者が発生してしまうと、懲役を科される場合もございます。
そのため、了承しないというのはあまり推奨しておりません。
なにかご質問などはございますか?」
ふむ、全部ネットでよく見る情報だな。
だけど、これまでに前例がなかったせいで、どこを見ても記述されていない点が一つだけあるんだよな。今回はそれが一番気になっている。
「新しいダンジョンを偶然発見した場合などは、どうなるのでしょうか?」
昨日…いや、今日というべきか?
夜中に表示されたお知らせに、しれっと俺の家にダンジョンが出現したという文言があった。
その時は流したけど、よく考えりゃすごく面倒臭いことだ。だからこそ質問をした。
「ダンジョンを発見した場合でも、報告の義務はありません。
しかし、それを秘匿して攻略をせず、ダンジョン内の魔物が外へと溢れ出てしまう『スタンピード』が起こってしまった場合。
このような場合では、アイテムと同じく、懲役が科される場合がございますので、こちらも報告を推奨しています」
…どうしよ。しばらくは報告しなくてもいいかな?
報告書とかを書く羽目になりそうだし、接収されて、俺の家がなくなるのは流石に厳しい。
親から受け継いだ家だぞ?そんな簡単に手放したくはない
「なるほど、ありがとうございます」
「ご質問はもう大丈夫でしょうか?」
「はい。聞きたかったことはそれだけですので」
「それでは、これで探索者としての登録は終了です。ダンジョンへ進入する際は、くれぐれも気をつけてくださいね」
「はい。ありがとうございました」
そうお礼を言って、俺は立ち上がる。
あとは装備を買って、ダンジョンでモンスターを倒してステータスを得たら、今日やるべきことは終わりだ。
さて、武器はどんなものを使おうか。
大剣、槍、槌、短剣、片手剣、刀、弓、杖……あげだしたらきりがないな。
専門店に行って、お店の方に色々聞いてみるか。
きっと、そういうことに関しては詳しいだろう。
後書き
いまいち納得が言っていないのですが、僕の文才だとこれが限界だったので、このまま投稿します。
僕にもっと文才があれば…!
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