【カクヨムコンテスト11短編エッセイ・ノンフィクション部門】多分、歯。〜これは妊娠、そして、出産。〜

豆ははこ

第1話 歯が欠けました……割れてました。

「詰めもの……じゃないな。これ、歯? ほんもの?」


 そろそろ、カクヨムコンテストの時期となる頃。

 豆ははこと言えば、エッセイ。エッセイ。と言えば、食事運。

 足りないメニューを伝えたら、店長がジャンピング土下座。

『アイスコーヒーです』信じてミルクをインしたら、そこにはコーヒーではなく、ミルクをインされたアウトなミルクコーラが。それ即ち、罰ゲームの味を伝えるもの也。

 そんな日常。そんな、食事運。ところが、最近は。

 旦那さんとランチタイムに食事をしたら、間違ったメニューが配膳されて……でも、こちらは気付かず、普通においしく食事。お店のほうから『すみませんでした』と交換してもらえたり。

 足りない、解凍されていない、アイスコーヒーはコーラ、が基本の某ファストフードにて、なんと、すべてのメニューが揃っていた上になぜか、ポテトが一つ多かったなど。


 ついに、過去の食事運(悪)の揺り返し期間がやってきたのか? 嵐から、凪の時期に? みたいな昨今だったのです。

 それ故に、『今回は、エッセイ。のネタ、どうしようかな……』などと思っておりました時期が、豆ははこにもございました。

 そうしましたら、エッセイ。ネタの神様の思し召しでしょうか。


 冒頭の如く。

 歯が、欠けました。

 豆ははこが『これは……詰めものが、取れたか!』と、慌てて口の中のものを出したティッシュの中身。それは、噛んでいたガムと、歯でした。

 しかも、このガム。歯医者さんで購入したキシリトールガムだったのです。

 つまり。歯の健康のためのガムを噛んでいたら歯が欠ける、というレアな体験をいたしましたしだい。その時間帯は、夕飯後でした。


 翌日。テレビの時刻表示OK。スマホ、よし。

 電話だGO! というわけで。イカのお寿司を噛んでいたら流血した際にもお世話になりました馴染みの歯医者さんに、始業開始とともに、電話をしました。


『お世話になっております。そちらで購入したキシリトールガムを噛んでいたら、歯が欠けたみたいで』

『あ、おはようございます。え、うちで販売しているキシリトールガム、ご利用頂いてるんですか! ありがとうございます、おいしいですか?』

 受付さん、きっと歯科衛生の備品販売に積極的な方なのでしょう。

 食事運の悪さは伊達じゃない。だから、豆ははこにはトークに込められた善意と悪意の違いが、分かります。分かるったら、分かるのです。


『はい、おいしいですね! で、多分歯が欠けてますので、なんとか今日、診て頂くことはできませんか?』

 はきはきと答える豆ははこ。怒りの気持ちはございません(ほんとうに、ございませんよ)。

 実際、受付さん、すぐに空き時間を調べてくれました。


『午前中でなくてすみません。午後一でしたら……』

『ありがとうございます!』

 ありがたい、ありがたい。そして、午後一、歯医者さんへGO。


「え、詰めものが取れたんじゃないの? あれ、どこ? ほんとうだ、これ、歯だ……」

 歯科医師さん、びっくり。

「確認したら、神経も残ってる歯ですね」

「そうなんですか!」

 欠けるくらいだから、既に神経はない歯かと思っていたら、神経ありでした。これには、豆ははこも、びっくりでした。

 よって、今後の予定は神経除去ならびに抜歯、と相成りまして。すぐに神経除去と抜歯の予定を組んで頂けました。

 欠けた歯の残りの部分は除去予定の神経がむき出しになっている箇所があるそうで、そこが痛まないようにの処置も施されました。ありがたいですね。

 恙無つつがなく神経除去も終わり、そのまた次の来院日となりました。つまりは、いざ、抜歯! です。


「この位置、麻酔が効きにくいかも知れないから、神経は除去したけど、痛いかも知れません。だから、痛かったら遠慮なく手を上げてくださいね」

「はひ」


 フラグらしきものもなんのその。麻酔は、効きました。

 抜歯、開始。腔内に入る器具、鳴り響く、ガンガンガン、ではなくガンゴンガン、という音。迫力があります。振動も。


「今のところ、痛みとか、大丈夫ですか」

「はひ」

 しだいに、音はガンゴンガン、がゴンガン、になり、ガ……くらいになっていきます。


 そして。

「この歯! 真っ二つでしたよ! 神経が残っていた歯でこんなにはっきり割れてるのは、珍しいです!」

「ほんとら、割れてまふね。すごひですね……」


 抜歯、終了。

 歯科医師の先生から放たれた、なかなかに楽しい言葉に麻酔が聞いているので微妙な返しをする豆ははこ。

 それでも、いつか何かの描写に使えるかも、と、きれいに二つに割れた歯をしみじみと観察する豆ははこ。多分、シュール。


 それにしましても、ほんとうに、真っ二つ。スパーン! という感じに、きれいに割れておりました。

 あまりにもきれいに割れていたので、つい、「資料用にください」、と言いかけてしまいましたが、なんとかとどまりました。


「なんの資料ですか?」と聞かれたら答えられないですからね。バイオレンスなアクションを書く予定もございませんし。

 あと、麻酔のために「資料用ひりょうようにくらさい」になっていた可能性もありましたから、やっぱり、申し上げずにいて、よかったのです。


 実際に目にしたおかげと言うべきなのか、小説や漫画やアニメで歯が折れるシーン、ありますよね。 

 あれ、プッ、と折れた歯を飛ばしてそのまま平然と、なことが多いですが、あのあと、処置もしないで歯の神経をそのまま露出? とか想像してしまいますと……怖すぎます。これからは、そういったシーンに遭遇しましたら、豆ははこはきっと『歯医者さんに行って!』と願わずにはいられないことでしょう。


 そんなこんなで、無事に抜歯終了、でした。マウスピースなどを勧められることもなく、何が理由かは、分からずじまいでした。

 理由……もしや!

 ここで、閃きました、豆ははこ。


「もしかしたら……出産のときに、歯を食いしばったからですかねえ」

 豆ははこの言葉に、返ってきました言葉は。

「……かも知れません」でした。

 真っ二つ! のときのようにはっきりしっかりとした声音ではありませんでしたが、歯科医師の先生が仰る、『かも知れない』。つまり、出産時の食いしばりの可能性は、ある……かも知れないのです。(あくまでも、豆ははこがそう考えただけですよ)


 とりあえず、冤罪になりそうだったあのキシリトールガムは、無罪です。これは間違いございません。このキシリトールガム、歯にやさしく、しかも、おいしい。

 そこで、次回の予約とともに、再度購入、なのです。


「おつかれさまでした。あ、ご購入ありがとうございます。歯のガム」

「はい、歯のガム、お願いします」

 受付の方とも和やかにやり取りをして、お会計を済ませて、帰宅です。次回は、歯科検診です。


 数時間後の豆ははこ。まだ麻酔が効いているので片側だけで歯のガム、キシリトールガムを噛みながら思いを馳せましたのは、出産のときについてでした。

 そして、ここで、豆ははこはまた、閃いたのです。


『妊娠と、出産と、歯。エッセイ。のテーマはこれにしよう。許可が出れば、だけど』

 許可とは、すなわち。


「カクヨムコンテストのエッセイ。今回はこのネタで行こうと思うのだけれど。妊娠と、出産について。書いてもよいかな? もちろん、二人の年齢性別は出しません」

「ならどうぞ」

「お好きにどうぞ」


 そう、お腹のなかにいた頃から、無事に出てきてくれたあとまで。妊娠・出産エッセイ。(+歯)。こちらの妊娠・出産部分のメイン登場人物二名となる(はずの)我が子さん(大と小)からのエッセイ。登場人物としての使用許可です。

 上記のとおり、二名からはあっさり、快諾をもらえました。よかったよかった。

 ちなみに、旦那さんには、『書けたよ。出せたよ』で大丈夫なのです。


 妊娠出産のことを回想すれば、歯が欠けた原因(かも知れないこと)もついでに思い出せるかも知れませんからね。

 ちなみに、抜歯のあとの痛み、流血、不快感はお守り(痛み止めさんと清浄綿さん)のおかげでだいぶ平和でした。

 例えますならば、正しい位置に生えた親知らずの抜歯、みたいな感じ(親知らずの抜歯も昨年やりました)です。

 

 つまり、あとは、書くだけ。そんな妊娠出産+歯のエッセイ。です。

 もちろん、妊娠出産につきましてはその人その方もろもろ様々なご事情、ご状況、ご体調などなどがございますものですので、どうか、本エッセイ。はあくまでも豆ははこの場合、ということでご覧になってくださいますように深く、深く、お願い申し上げます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る