情報バラエティ番組「ひるまえパレット!」書き起こし 放送日:2026年4月9日

[映像:明るいスタジオ。ポップな色使いのセット。司会の芸人コンビ「サンバイザー」の堀内亮と、相方の西村トオル。アシスタントは女子アナの加賀谷美咲(30代)。テーブルには政治・国際問題の専門家として、国際社会学者の九重俊一(ここのえ しゅんいち)教授(東京東海大学)がゲスト出演。]


◆番組オープニング


堀内(司会):

「さあ今日も『ひるまえパレット!』、元気にお届けします! まずは……アメリカからちょっと大変なニュースが入ってきています。」

西村(相方):

「“ちょっと”どころじゃないですよ。なんかすごいことになってるらしいですよね?」

加賀谷アナ:

「はい。ミシガン州では住民同士が争う形の大規模な暴動が発生し、死傷者がすでに1000人を超えている可能性があると現地メディアが伝えています。」


[背後モニター:ミシガン州の地図が表示され、赤い点滅が各都市に広がっている。]


◆ニュース説明パート


堀内:

「九重先生、これ……アメリカで何が起きてるんですか?」

九重教授:

「はい。現地では暴動という言葉で報道されていますが、特徴的なのは政治的なデモがエスカレートしたものではなく、住民同士が突然襲い合うようなケースが相次いでいるという点です。」

西村:

「住民同士がいきなり襲い合うって、何かきっかけがあったんですか?」

九重教授:

「そこが不明なんです。薬物の影響だという説も出ていますが、当局は根拠を得られていません。」


[モニターにはフリント市の混乱映像(現地報道から引用されたもの)。救急車の列、市内で火の手が上がる建物。]


◆司会の素朴な質問


堀内:

「先生、これってアフリカとか中東でも起きてる暴動と関係があるんですか?」

九重教授:

「可能性はありますが、現時点では何とも言えません。中東アフリカでの暴動も原因がはっきりしておらず、同じ“何かわからない暴力”が広がっているだけ、という状況です。」

堀内:

「じゃあ世界的に原因不明の暴動が広がってるってことですか?」

九重教授:

「はい、あくまで現時点ではそうとしか言いようがありません。」


◆州兵派遣問題について


加賀谷アナ:

「こちらも気になりますが、本来なら治安維持に出動するはずだったミシガン州兵が……」


[モニターに「大統領命令で州外へ派遣」の字幕]


加賀谷アナ:

「大統領命令によって、他州の治安維持任務のために派遣されたという報道があります。」

西村:

「えっ、じゃあ暴動が起きてるミシガン州はどうなるんですか?」

九重教授:

「ミシガン州の知事は民主党所属で、大統領とは対立関係にあります。大統領は“暴動の責任は無能な知事と市長にある”と言っていまして……言葉を選ばずに言えば、政治的な嫌がらせとみる専門家も多いです。」

堀内:

「ええぇ……そんなことで治安維持の人たちを動かしちゃうんですか?」

九重教授:

「はい。州兵は“州の軍隊”ですが、反乱法(インサレクション・アクト)という法律によって大統領が指揮権を握ることができます。今回はそれが使われたと見られています。」

堀内:

「えーっと先生、反乱法って何ですか? えー……“反乱を鎮圧するための法律”ってことですか?」

九重教授:

「簡単に言うと“国内の治安維持のために大統領が州兵を強制的に動かせる法律”です。」

堀内:

「ほうほう……なるほどね。つまり、“大統領の命令には逆らえない”ってことなんですね?」

九重教授:

「その通りです。」


◆主婦層向けの噛み砕き解説


加賀谷アナ:

「視聴者の皆さんから“なんでそんなに州兵って大事なの”という質問も届いていますので簡単に説明します。」


[モニターに「州兵=非常時の警備・救助部隊」と表示]


加賀谷アナ:

「州兵はアメリカでは、災害救助や暴動鎮圧で出動する“最後の砦”です。日本の自衛隊に少し似ています。」

堀内:

「それが他の州に行ってて、フリント市は手薄になっちゃってる……?」

九重教授:

「ええ。ですから、現地では“政治判断による危機拡大”と批判が出ています。」


◆番組の空気が重くなる


[スタジオが少し静まり返る]


西村(気まずそうに):

「なんか怖いですね……。アメリカって治安悪化すると早いって聞きますし。」

九重教授:

「はい。今回の暴動は政治的なデモや抗議活動ではなく、“原因不明の暴力行動”が多発している点でこれまでの暴動とは質が違います。」


◆ここでスタジオに速報音


[テロップ《速報》が点滅。スタジオ音楽が止まる]


加賀谷アナ:

「……あっ、ここで速報が入りました。」


[カメラがスタジオから報道フロアへ切り替わる]


◆報道フロアからの速報


[報道フロア。記者の西牟田康平(にしむた こうへい)が原稿を手に立っている。]


西牟田記者:

「速報です。いま入った情報によりますとミシガン州に続き、インディアナ州およびオハイオ州でも住民同士が争う暴動が多発しているとのことです。」


[背後モニターにインディアナ州・オハイオ州の地図。赤い点滅が広がっている。]


西牟田記者:

「アメリカで原因不明の暴力事案が、複数の州へ同時多発的に拡大していると見られます。引き続き情報が入り次第お伝えします。」

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