第六章:政治とは生活

80過ぎの政治家

80過ぎの政治家が、

官僚だか秘書だかが書いた原稿で未来を語っている。



80過ぎの政治家は子どもたちの50年後どころか、

10年後すら肌感覚では感じられない。

晩御飯に思いを馳せている。



80過ぎの政治家が失言したとき、

「記憶にございません」というのは嘘偽りがない。

今朝の朝食を覚えているのかもあやしく、

昨夜の晩御飯を覚えていないのは自明である。



80過ぎの政治家が問題を起こしたとき、

その責任を誰がとるのだろうか。

介護ヘルパーさんには荷が重い。

「老い先短い」を免罪符に、逃げるのだろうか。



80過ぎの政治家の脳が正常かどうかは、

国民としては大変興味深い事柄であるが、

健康を証明する義務は見当たらない。



マスコミ諸氏にはせめて、

「100から7を引いてってください」

くらいは尋ねて欲しいものだ。




【解説】

言いたいことは詩の中で語りました。

老人を政治家にするというのはそういうことで、これは老人を揶揄するのが目的ではなく、生命として必然の話です。


老人に投票をしようと考えるなら、その思考と、投票用紙に名前を書く手を、一度冷静に見つめてもらいたい。

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やさしい檻の詩集 冴月練 @satsuki_ren

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