第6話美香・由美・詩織の青春18きっぷ卒業旅行

気まぐれ鈍行列車女子3人旅の始まり




春の陽気が少し残る東京駅。美香、由美、詩織の3人は、青春18きっぷを手に、鈍行列車で博多へ向かう旅のスタートラインに立っていた。




美香:「さあ、由美ちゃん、詩織ちゃん、今日から青春18きっぷの旅たい!無計画でも、楽しむっちゃけんね〜!」


由美:「うん!何が起こるかわからんのが、鈍行旅の醍醐味やね」


詩織:「どこに寄り道するか、完全に気まぐれ〜!でもお昼は絶対ご当地グルメは外せんばい」




電車に乗り込むと、3人は座席を陣取り、窓の外の景色を見ながら、行き当たりばったりの旅の計画を練る。途中下車する駅は、気分次第で決めることに。






東海道線を外れ、御殿場線で富士山堪能




東京を出発した3人は、単純に東海道線を真っ直ぐ進むのでは面白くないと相談。




美香:「ねぇ、せっかくの鈍行旅やけん、ちょっと遠回りしてみんね?」


由美:「どこ行くと?」


詩織:「国府津で御殿場線に乗り換えたら、富士山めっちゃ近くで見れるっちゃね!」




国府津駅で御殿場線に乗り換えると、車窓からは雄大な富士山が姿を現す。




美香:「わぁ〜!富士山ば、こんな近くで見たの初めてや〜!」


由美:「これはもう、SNSにアップせんといかんやつやね!」


詩織:「動画も撮ろう、富士山バックに3人でピースしよ!」




3人は興奮しながら写真や動画を撮り、旅の思い出を刻む。







熱海で温泉を堪能




御殿場線を下り、再び東海道線に乗って熱海へ到着。




美香:「ふぅ〜、長旅やったけど、温泉で疲れを取らんとね!」


由美:「旅の醍醐味、ここにありやね」


詩織:「足湯だけでも気持ちいい〜!」




熱海の温泉街で足湯や入浴を楽しみ、地元の温泉まんじゅうを買い食い。笑顔と笑い声が絶えないひととき。







豊橋での一泊




熱海を出発し、豊橋まで鈍行で向かう3人。




美香:「今日は豊橋で一泊しよ!次の日の旅に備えて体力温存せんと」


由美:「駅近の旅館、ネットで予約してるっちゃけん、安心やね」


詩織:「夜は豊橋名物のうずら卵料理、食べてみよ!」




宿にチェックインすると、荷物を置き、早速夕食へ。豊橋ならではの料理を楽しみ、夜も女子トークと笑いで大盛り上がり。




美香:「こうやって鈍行旅であちこち寄ると、旅の楽しさ倍増やね〜」


由美:「明日も何が起こるかわからんけん、ワクワクが止まらん」


詩織:「明日もいっぱい笑おうね!」




3人の笑い声が旅館の夜に響き渡り、女子旅初日の充実した一日が終わった。








翌日の北上と絶景の車窓




豊橋で一泊した翌朝、3人は元気に鈍行列車に乗り込み、北上を開始。




美香:「さぁ、今日も景色楽しむばい!」


由美:「昨日の富士山に続き、今日はどんな絶景が待っとると?」


詩織:「天竜川沿いの区間ば、特に絶景らしいよ!」




列車は天竜川の険しい渓谷を縫うように走る。両側に切り立った崖と深い緑が広がり、川面が太陽の光を反射してきらきらと輝く。




美香:「わぁ〜!ここ、すごか!写真撮らんといかん!」


由美:「ほんと、景色の迫力が半端ないね〜」


詩織:「景色だけでお腹いっぱいやね(笑)」







伊那谷と南アルプス・中央アルプスの眺望




天竜川を越えて伊那谷に入ると、列車は進行方向右側に南アルプス、左側に中央アルプスの雄大な山々を望むことができる。さらに木曽駒ヶ岳も視界に入り、その壮大さに3人は息を呑む。




美香:「わぁ〜、南アルプスと中央アルプスが両方見えるなんて、すごか景色やね!」


由美:「自然のスケール感、やばすぎる」


詩織:「この景色、動画撮っとかんと、一生後悔するやつやん!」




列車の窓越しに、カメラとスマホで次々と景色を収める3人。息を呑む美しさに、言葉よりもシャッター音が続く。







上諏訪駅で観光と温泉




列車はやがて上諏訪駅に到着。駅を降りると、湖や古い街並みが広がる観光地の雰囲気に包まれる。




美香:「ここで降りて、観光しよ!もちろん温泉も入りたい〜」


由美:「諏訪湖周辺の散策楽しみばい!」


詩織:「温泉も入ったら、昨日の熱海よりさらに癒されそうやね」




3人は上諏訪の街を散策し、湖畔で写真を撮ったり、土産物屋を覗いたり。旅の合間に立ち寄る温泉で、疲れを癒しつつ、笑い声と笑顔が絶えないひととき。




美香:「こうやって列車で北上して、絶景と温泉を楽しめる旅って、ほんと贅沢やね!」


由美:「写真も動画もいっぱい撮ったけん、帰ったらSNSで報告せんと!」


詩織:「明日もまだまだ旅は続くけん、体力温存しとかんと!」




こうして女子3人旅は、絶景と温泉を満喫しつつ、次の目的地へ向かう期待で胸を膨らませる。












上諏訪駅から木曽福島駅へ




上諏訪駅で観光と温泉を楽しんだ後、3人は塩尻経由で木曽福島駅に到着。夕暮れが町を包み込み、街は柔らかいオレンジ色の光で染まっていた。




美香:「うわぁ、町並みが赤茶色に光っとる!黄昏時にめっちゃ映える〜」


由美:「木曽の漆器も見に行かんといかんばい。旅の記念に欲しい!」


詩織:「夕暮れの街並みと漆器の店、写真映えしまくりやね」







漆器の町並みを散策




古い町並みを歩きながら、漆器店や伝統工芸品店を覗く。朱色や黒漆のお盆、お椀、箸置きが整然と並び、手に取るたびに声が弾む。




美香:「このお盆、デザインも可愛かし、買おうかな〜」


由美:「黄昏の光で漆のツヤがめっちゃ映えとるね」


詩織:「せっかくやけん、木曽漆器をお土産に買うばい!」




店先の木の香りと漆の甘い匂いが混ざり、歩くたびに郷愁を感じる。町の石畳も夕陽に照らされ、柔らかく赤く輝いていた。







夕暮れのフル赤街並み




空が赤く染まり、木造家屋の赤茶色の屋根とシンクロして幻想的な景色に。3人は立ち止まり、沈む夕陽をしばし眺める。




美香:「この景色、もう映画のワンシーンやね!」


由美:「黄昏の光が町全体を包み込んどるばい」


詩織:「写真撮らんと一生後悔するやつやね」




夢中でシャッターを切る間も、笑い声と会話は絶えず。歩きながら感じる風のひんやりとした感触も、旅の記憶に鮮やかに刻まれる。







夜の宿でのひととき




宿にチェックインし、旅の振り返りと翌日の計画を話す3人。




美香:「明日もまだまだ絶景スポットあるけん、しっかり寝とかんとね」


由美:「今日の黄昏の景色は、旅のハイライトの一つやったね」


詩織:「漆器もゲットしたし、もう満足感ハンパないばい!」




こうして女子3人旅の2泊目は、絶景と伝統工芸に触れる贅沢なひとときで幕を閉じた。




















上松駅・寝覚めの床散策




翌朝、3人は上松駅で下車。駅から徒歩で向かうのは、木曽川が刻んだ奇岩怪石の名勝「寝覚めの床」。




美香:「うわぁ…なんて迫力ばい!自然が作った芸術やねぇ」


由美:「石の形がそれぞれ違うけん、見てるだけでワクワクする」


詩織:「ほんと、写真だけじゃ伝わらんね。実際に来てよかった!」




奇岩に触れながら、川のせせらぎの音を聞き、自然の造形美に圧倒される3人。








上松駅から寝覚めの床へのアクセスと景観


•アクセス:上松駅から徒歩で約15〜20分。道中は木曽川沿いの自然が広がり、散策路として整備されている。


•地形の特徴:木曽川の浸食によって花崗岩の岩が露出し、奇岩・怪石の連なりが続く。まるで川床に広がる自然の舞台のような景観。


•見どころ:


•奇岩の形状が多彩で、まるで巨大な芸術作品を散りばめたよう。


•川の水の流れやせせらぎの音が、景観に静けさと躍動感を与える。


•写真撮影スポットとしても人気で、観光客やハイカーに親しまれている。




3人旅のポイント


•美香、由美、詩織の3人は、奇岩に触れたり景観を眺めたりしながら自然の迫力に圧倒される描写。


•写真や動画を撮ることで、旅の記録だけでなく、SNS投稿などで後日共有する楽しみもある。


•川沿いの散策路は緩やかな坂があり、安全に歩きやすく、子どもや年配者でも訪れやすい。









木曽の宿場町散策




寝覚めの床の感動を胸に、次は木曽の宿場町を散策。古い町並みが残る通りを歩き、木造の家屋や土産物店を覗きながら、昔ながらの街の雰囲気を楽しむ。




美香:「こういう町並み、心が落ち着くね」


由美:「お土産もいい感じのものがたくさんあるばい」


詩織:「写真もいっぱい撮らんと!」







名古屋での名物グルメ




宿場町散策の後、列車で名古屋に到着。お昼は名古屋名物を堪能することに。




美香:「味噌カツば食べんと、名古屋来た気せんよね!」


由美:「きしめんも外せんばい。ほら、つるっとした麺が美味しそう」


詩織:「うん、どっちも最高やね!」




熱々の味噌カツと、出汁の効いたきしめんを笑顔で頬張る3人。







関西本線経由で亀山・紀勢本線・松阪




名古屋から関西本線で亀山へ。亀山から紀勢本線に乗り換え、津を通過し、松阪に到着。3日目の宿泊地である。




宿にチェックイン後、夕食は旅のハイライト。




美香:「せっかく松阪に来たけん、松阪牛ば食べんとね!」


由美:「お肉がとろけそう…」


詩織:「口の中でジュワッと脂が広がるばい!」




目の前に広がる松阪牛の豪華な料理に、3人は感動。柔らかい肉質と甘みのある脂身に舌鼓を打ちながら、旅の疲れも吹き飛ぶひととき。










4日目:紀伊半島ぐるっと観光


1.熊野市 → 鬼ヶ城


•熊野市駅に到着した美香、由美、詩織の3人はバスで鬼ヶ城へ向かう。


•荒々しい海岸線に沿って連なる奇岩や洞窟が圧巻。


•波しぶきが岩に当たり、潮の香りと共に自然の迫力を体感。


•三人は「わぁ、自然のアートばい!」「写真ばいっぱい撮ろう!」と大興奮。


2.鬼ヶ城 → 新宮 → 紀伊勝浦


•鬼ヶ城観光を終えて列車に戻り、新宮駅を通過。


•紀伊勝浦で下車して、熊野三山のひとつ、那智大社に向かう。


•高台にそびえる社殿と、落差133mの那智の滝を間近で見ると、思わず息をのむ。


•美香は「まるで映画のワンシーンみたいやね」と感嘆。


•由美と詩織も「パワースポットばい!」「絶対元気になれる」と大はしゃぎ。


3.那智大社・那智の滝


•滝の前で三人揃って写真撮影。


•美香は「ここまで来た甲斐あったね」と笑顔。


•由美は「この水の勢い、ちょっと私の落語のネタにしたいかも」とボケ。


•詩織は「美香ちゃん、私も一緒にギャグやろう!」と提案し、自然の景観の中で軽く即興ネタを披露。


4.紀伊勝浦から先の予定


•この後は、紀伊半島の東岸沿いを鈍行で南下、旅の最後は串本や太地町などの海岸線を楽しむ予定。


•海沿いの景色を眺めながら、旅の思い出や撮影した写真を見返して、三人の会話も弾む。








紀伊半島 → 大阪 → 姫路


1.紀伊半島の海岸線を満喫


•紀伊半島の海岸沿いを列車で進む3人。


•窓の外には青く輝く海と入り組んだリアス式海岸、時折小さな漁村が見える。


•美香:「うわぁ、まるで絵本の世界たい!」


•由美:「ずっと見とけるね、ずっと景色ば楽しめる!」


•詩織:「この景色、次の旅のネタにもできそうやね!」


2.和歌山 → 大阪 → 新大阪


•和歌山駅から一気に大阪へ移動。


•大阪の街並みを横目に、新大阪駅で下車。


•美香たちは短時間だけ市街地を楽しみ、再び西へ進む。


3.新快速で姫路へ


•新快速に乗り換え、姫路へ。


•車窓から見える広大な田園風景や山並みに心を癒されながら、旅の疲れも少しずつ。


•姫路駅に到着後、白鷺城こと姫路城へ。


•壮麗な天守を前に、三人は大はしゃぎで記念撮影。


•美香:「光子と優子へのお土産、ここで決まりばい!」


•由美と詩織も、お土産選びに夢中になる。


4.姫路での宿泊


•夕食は地元の名物を楽しみながら、旅の思い出話で盛り上がる。


•食事後は大浴場でゆっくり入浴。


•温かいお湯に浸かり、疲れた体を癒す3人。


•由美:「あー、今日もよく歩いたね!」


•詩織:「でも、明日で旅も終わりやけん、楽しもうね!」


•美香:「ほんとね、明日も楽しくいこう!」


5.就寝


•旅の疲れもあり、三人はぐっすり眠りにつく。


•明日はいよいよ博多への帰路、最後の旅路が待っている。








5日目:山陽本線 → 倉敷 → 尾道 → 博多


1.早朝の出発


•少し早起きして、姫路駅から山陽本線の西行き電車に乗車。


•車内はまだ静かで、朝の光が差し込む中、3人は今日の旅の最終日を楽しみに窓の外を眺める。


•美香:「朝の空気が清々しかぁ!」


•由美:「旅もいよいよ最終日やね。」


•詩織:「まだまだ景色ば見たかばい!」


2.相生 → 倉敷


•相生を過ぎ、山陽本線を西へ進む。


•倉敷駅で下車し、美観地区を散策。


•白壁の町並みや古い倉庫、川沿いの柳並木が美しく、思わず写真を何枚も撮る3人。


•美香:「あぁ、まるでタイムスリップしたみたい!」


•由美:「ここで買い物も楽しみたいね。」


•詩織:「お土産も忘れんごと選ばんと!」


3.倉敷 → 福山 → 尾道


•倉敷を後にし、福山駅を過ぎて、尾道駅で下車。


•千光寺公園へ向かう途中、町の坂道や商店街の風景を楽しむ。


•桜はちょうど満開で、ピンク色の花が風に揺れる。


•美香:「桜が満開たい!やっぱり春の尾道は最高やね!」


•由美:「この景色、ほんとに忘れられんね。」


•詩織:「写真ば撮らんと、絶対後悔するやろうね!」


4.千光寺公園の絶景


•公園の展望台から瀬戸内海と尾道市街を一望。


•美しい海と桜のコントラストに、3人は息を飲む。


•美香:「ここから見る海も街も、ほんとに絵になるね!」


•由美:「来てよかったぁ〜」


•詩織:「また絶対来たい場所ばい!」


5.感動と余韻


•千光寺公園でゆっくり景色を堪能したあと、駅へ戻り、博多へ向けて最終列車に乗車。


•車内で3人は旅の思い出を語り合いながら、疲れを感じつつも心は満たされている。


•美香:「この旅、絶対忘れんばい!」


•由美・詩織:「ほんとやね!」










宮島の赤い大鳥居をフェリーから眺め、夕陽に染まる海のきらめきとともに、3人は再び宮島口へ戻る。そこから岩国へ、そして長い鉄路をひた走り、下関を経由して小倉へ。最後の乗り換えを終え、ついに博多駅に到着した。




改札を出た瞬間、


「お姉ちゃん、おかえりなさ〜い!」


元気な声とともに、光子と優子が全力で抱きついてくる。




美香は笑顔になりながらも、ちょっとバランスを崩しそうになって、


「こらこら、転げるばい!」


と笑いながら2人を抱きしめ返す。




後ろからは、優馬と美鈴も目を細めて見守っていて、


「無事に帰ってきてよかった〜。長旅おつかれさん」


「お土産話も楽しみにしとるけんね」


と、温かい声が飛んでくる。




由美と詩織も、それぞれ家族に迎えられ、笑顔と拍手に包まれる。




美香はふと、光子と優子の頭をポンポン叩きながら、


「はい、お土産ばい。ちゃんと姫路で買ってきたとよ」


と言って袋を渡す。




袋の中からは、2人の好きそうな可愛い和小物とお菓子が顔を出し、


「わぁ〜っ!ありがと、美香お姉ちゃん!」


と、2人は目を輝かせた。




こうして、5日間にわたる「気まぐれ鈍行列車女子3人旅」は、博多での温かい再会とともに幕を閉じた。








博多駅のホーム。


「詩織お姉ちゃん、由美お姉ちゃん、ばいば〜い!」


光子と優子が小さな手を大きく振る。




詩織はしゃがみ込んで2人と目線を合わせ、


「二人とも元気でね。また遊びに来るけん」


と笑顔を向ける。




由美も、


「光子ちゃん、優子ちゃん、また面白いギャグ教えてね〜」


と軽くウインク。




美香は2人に抱きついて、


「ほんと楽しかった、ありがとう。また絶対会おうね」


と声をかける。




3人はそれぞれ別々の方向に歩き出し、ホームに残った小倉家は改札を抜けて車へ向かった。







家に帰ると、久しぶりの自宅の匂いがふわっと包み込む。


美香は荷物を置くなり、ソファにごろんと横になる。




美鈴が笑いながら、


「ほら、荷物そのままやと片付かんけん、まずはお茶でも飲んで落ち着きんしゃい」


と湯呑みを差し出す。




優馬は、


「お前が家におるだけで、なんか部屋が明るくなるなぁ」


としみじみ。




光子と優子は両脇からぴったりくっついて、


「ねぇねぇ、美香お姉ちゃん、旅で何が一番おもしろかった?」


「お土産話いっぱい聞かせて〜!」




美香は笑って、


「ん〜、じゃあ順番に話すけん、腹筋つる覚悟しとってね」


と宣言。




こうして、博多の夜は久しぶりの家族団欒と笑い声に包まれていった。


 






夕食後、リビングに集まった小倉家。


テーブルの上には、美香が買ってきたお土産のお菓子が並べられている。




テレビにスマホを繋ぎ、美香が撮影した旅の動画を流し始めた。


画面には御殿場から見た富士山、上諏訪の温泉街、木曽の宿場町……そして那智の滝の雄大な姿。




光子が目を丸くして、


「わぁ〜!ほんとにおっきかぁ!滝ってこんなに迫力あると?」




優子も身を乗り出して、


「うちも行ってみたか〜!落語の高座で『どんぶらこ〜』ってやったら、滝に勝てるかな?」


とボケる。




すかさず光子が、


「勝てるわけなかろうもん!滝と張り合うって何ば考えとーと?」


とツッコミ、家族から笑いが起きる。







動画が姫路城の場面になると、美鈴が感慨深げに、


「まぁ〜、ほんと綺麗やね。白鷺城って呼ばれる理由が分かるわぁ」




優馬も腕を組んで、


「美香、ちゃんと隅々まで撮っとるな。歴史も景色も全部押さえとーやん。さすがやな」


と褒める。




美香は照れながらも、


「いやいや、由美と詩織がノリノリで撮ってくれたんよ。うちも一緒に楽しみながらやったけん」


と笑う。







最後に流れたのは宮島の大鳥居の映像。


夕焼けに照らされる赤い鳥居に、光子と優子が同時に、


「「わぁぁぁぁ〜!」」


と声をあげる。




優子がぽつりと、


「お姉ちゃん、ほんとにすごか旅やったんやね」




光子もうんうんとうなずいて、


「うちらも大きゅうなったら、こんな旅したいばい」




美香はそんな妹たちを見て、胸がいっぱいになりながら、


「じゃあ、次は一緒に行こうね。家族で、今度はもっと賑やかに」


と優しく約束する。







そして動画を見終わったあとも、家族みんなでお土産のお菓子をつまみながら、旅の思い出話や未来の計画に花を咲かせ、笑い声が夜遅くまで響いていた。








光子が目をキラキラさせて、


「で、お姉ちゃん!どんなご飯食べたん?めっちゃ美味しいもんばっかりやったっちゃろ?」




優子もすかさず乗っかって、


「うち気になる〜!松阪牛とか、きしめんとか、ほんとに食べたと?うちらにはお土産のせんべいだけ?」


と冗談交じりにジト目。




美香はちょっと笑いながら、


「ははは、ちゃんとお土産もあるやん!でもね、松阪牛のすき焼きはほんとトロけたよ〜。口に入れた瞬間、もう幸せって感じ」




光子が両手でほっぺを押さえて、


「トロける牛肉て…!夢みたいやん!あぁ〜、今すぐ食べたいっちゃん!」




優子はさらに大げさにお腹をさすりながら、


「うち、お姉ちゃんの話だけでお腹すいてきたばい…。よし!次は“落語研究会グルメ遠征”しよう!高座のネタと一緒にご当地グルメも食べ歩き!」




すかさず光子がツッコミ、


「落語かグルメか、どっちかにしときんしゃい!」




家族みんなが大笑い。


美鈴も笑いながら、


「でもほんと、旅ってご飯が楽しみやもんねぇ。美香、よか経験したね」




優馬もにっこりして、


「次は家族みんなで行って、同じもん食べようや」




美香は少し照れながら、


「うん!そのときは絶対みんなで、松阪牛リベンジやね!」








【松阪牛ギャグコント】




光子が両手を広げて、


「さぁさぁ、ようこそ〜!ここは幻のレストラン“うしうしまつさか亭”でございます〜!」




優子が胸を張って登場、


「本日のおすすめは、なんと!しゃべる松阪牛!もぉ〜!」


と牛の真似でドスンと登場。




光子(店員役)が慌てて、


「お客さま!お肉がしゃべっとる〜!?」




優子(牛役)が目をうるませて、


「食べんといて〜!わたし、まだ青春したいんや〜!」




光子がクスッと笑って、


「青春って…アンタ、牛やろ!」




優子(突然シリアスに)


「牛にだって夢はあるとよ!わたし、いつか“世界初の落語する牛”になりたいんやぁ!」




光子(ツッコミ全開で)


「もぉ〜!そげな夢ある牛、聞いたことなかぁ!」




観客役の家族が大爆笑。




優子はさらに暴走して、


「夢の舞台は“丑の日寄席”!演目はもちろん、『ぎゅうっと笑わせます』!」




光子は頭を抱えて、


「ダジャレまで入れてきた〜!もう、食べられんけん安心しとき!」




最後に2人そろって決めポーズ。


「ありがとうございました〜!もぉもぉ〜っと笑ってね!」







美香は涙を拭きながら大爆笑。


優馬と美鈴はお腹を抱えて笑い転げ、


「やっぱりこの子たち、才能あるばい!」と感心しきり。








【トリオ漫才:小倉三姉妹「牛と旅と音楽と」】




(舞台は居間。光子と優子がすでに「松阪牛コント」で爆笑を取った後、美香が立ち上がる)




美香ニコニコしながら


「ちょっと、うちも混ぜて〜!音大卒業したからって、お笑い封印しとらんとよ〜!」




光子と優子(声をそろえて)


「出た〜!お姉ちゃん乱入〜!」







第一幕:牛の夢




優子(牛役のまま)


「わたしの夢は“落語する牛”やけど…」




美香すかさず


「それやったら、伴奏はピアノで弾いたるけん!」とピアノを弾くマネ。




光子すかさずツッコミ


「なんで牛に生伴奏つけると!?贅沢すぎやろ!」







第二幕:卒業旅行の話




美香「いや〜、旅は楽しかったばい。松阪牛も食べたし、熊野古道も歩いたし…」




優子(牛のまま)


「うわっ!わたしの仲間たち食べたん!?」




光子「そこは動物愛護団体案件やろ〜!」




美香「でもさ、牛が出てくるたびに“優子やん!”って思い出して笑いそうになったとよ〜」




優子「そげんこと言うなら、今度はわたしが“牛役”で卒業旅行に参加したか〜!」




光子「いやいや、牛やったら改札通れんし!」







第三幕:音楽と笑い




美香「でも音楽も落語も、お笑いも一緒よね。リズムと間が命やけん!」




優子「さすがお姉ちゃん、まとめうまい〜!」




光子「ほら見てん、音大主席は言うことまでカッコよか〜!」




3人そろって観客(家族)に向かって、


「これからも“笑いと音楽の小倉三姉妹”をよろしくお願いします!」







家族全員が腹筋崩壊。


優馬は涙を流しながら「おまえたち、もう寄席に出られるぞ!」と拍手。


美鈴も「この家、ほんとに笑いの絶えん家やねぇ〜」と大満足。




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