日常腐敗

芋少年

第一話

2025年某月

あれ、ここはどこだ___

「お母さんーー!どこーーーーー?」

「どうなっているんだ!警察はまだ来ていないのか!」

「何なの?何なのあれは!」

何だ?何がどうなってる?おそるおそる目を開ける。

「うっ」

眩しさで目がくらむ。目を手で覆いながら見えたのは__

逃げわめく人々。倒壊した建物。まるでよく見る戦争映画の一場面のような情景ではないか。

そうだ。思い出した。


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俺の名前は、國立一(くにたつはじめ)。中学三年生だ。

「おーはよ!はじめん!」

そう声をかけてくるのは、友達の内山佐祐(うちやまさすけ)。クラスの中心的人物だ。さらにモテる。ムカついて仕方がない。

その一方で、俺は佐祐と比べると月の裏側。つまり故に言うだ。

「相変わらずこじんまりしてんな。一。」

と、声をかけてくるのは古浦玄斗(こうらげんと)。俺よりも背が高く、こいつもモテる。そしてムカつく。しかし、

「今日、朝に朝食食ってきたわ。」

そう。バカである。

「何だよそれ!小〇構文かよ!」

「なんだそれ?」

しかも天然。

「ところでさ、昨日のテストどうだった?」

佐祐が聞いてくる。

「別に・・・普通だったけど」

と返す。

「普通って何点だったんだよ?」

玄斗が顔を近づけてくる。

「・・・」

「んぁ?聞こえねーよ!」

「97」

「「・・・」」

「「うそーーーーーーん」」

「何!どうやったらそんな点数とれるの⁉脳みそ?脳みそ半分分けて!」

無茶だ。そんなことしたら俺が死ぬ。

「おっ!すげーなオマエ!ちなみにおれは35点だったぞ。」

何?玄斗の割にはやるな。

そんなくだらない話をしていると、

『キーンコーンカーンコーン』

「やべっ!遅刻する!」

「俺もだ!」

やれやれ俺も走るか。走りながら思う。

こんな日常だがずっと続いてほしいと。

しかし何故だろう。こういう時にだけ現実の厳しさを痛感する。

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日常腐敗 芋少年 @19810131

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