歌詞Part2

入江 涼子

第1歌、落ち葉

 落ち葉が散る昼下がり


 一人おっちゃんが通り過ぎる


 ふと、立ち止まった


 おっちゃん、晩秋の空を見上げて


 ため息をつく


 背中には哀愁が漂う


 ふと、家にいるカミさんを思い出した


 高血圧症と医者に診断され


 それからはご飯の量が減り


 おかずも薄味になった


 お薬も出され、とにかく飲めとせっつかれる


 おっちゃん、またもため息だ


 毎日が気が滅入りそうで


 けど、背筋を伸ばす


 カミさんや子供達を支えねば!


 その一心でおっちゃんは歩くのを再開した


 おっちゃん、あんたはヒーローだ!


 内心でエールを近くにいたおばちゃまが送った


 ……あんた、誰?


 野暮な質問はするまいて

 

 その場にいた一人の女は思いながら、立ち去った

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