第2話 彼女について

これは、彼女と出会って間もないころだった。


「んー、Maiさんと呼べばいいのか?これ」


1人して俺は悩んでいた。

……うーん、本人に聞いてみるか?


『名前なんて呼べば良い?』


そう文字を打ってチャットに送った。

すると、


『全然好きなように呼んで頂いて!』


すぐさま返事してきた。


『まいで良い?』


『え?』


ありゃ?

さん付けした方が良かったのかな?


『あの、ボイチャしたいんですけど。』


なんかあるのか?

まあいいや。


『わかった。』


俺がそう打つと、ボイチャのパーティが作られ、招待された。


「えーと、どうしたんだ?」


「……好きなんですか?」


───は?

好き……何のことだ?


「えーと、好きって……」


「だから、そ、その……好きなんですか?」


一体なんのことを言って───はっ!

なるほど、このゲーム……つまり、【clan】のことを言っているのか。


「そりゃあ、めちゃくちゃ大好きだよ」


───ゲームがね。


「……」


「あれ?」


なんかなんも言わなくなったんだけど?


「あ、あわ……えへへ、えへ」


うん?

なにこれ?


「え、えと……そ、その、どれくらい好きなんでふか?」


どこか声が蕩けているような……そんな感覚はしたが、気にすることはやめた。


「んー、一生やりたいくらい」


───ゲームをね。


「一生ヤりたいくらいっ?!」


俺がそう言うと呼応するように、いや、言ったのと同時くらいのスピードで彼女は驚く。なんか、彼女のイントネーションがおかしかった気がするが……


「はぁ……えへ♡、さ、最後に言うんだけど……本当に好きなん……ですよね??」


「あーうんうん。そりゃそうとも」


そういやさっきから、このゲームが好きかどうかを執拗に聞いてくるけど……なんでなんだろう?


───まぁ、考えるのめんどくさいし、良いか。


「あ、あの……、結婚は、い、行けますか……?」


「けっこん……?」


えぇ?

ど、どゆこと??


「だ、だって……その、結婚……」


けっ……こん?






血痕?


……つまり、グロいのが行けるとかそういうこと?


「あー、うん、全然行けるぞ?そもそも無理だったら俺がゲームこんなことしてないだろ?」


「えへ、えへへっ……私幸せでふ……」


「───そういやさ 」


俺は、彼女の声を遮ってしまったが、それでも言いたい事があった。


「は、はい……♡な、なんでふか?」


「俺、世界を獲りたいんだよね」


あ、ゲームのことね。

プロゲーマー?ってやつになってみたいんだよな。


───能天気だって?うるせぇ。


「世界を……取りたい?そ、それは……支配とかって意味ですか……?」


「支配……?んー」


あながち間違いではない……か?


「あー、まぁそういうこと」


「───良いですよ」


なにか死を覚悟したような……そんなことが感じ取れた。


え?

なんで?


のためなら……わ、私はなんだって……」


「っ」


思わずボイチャを切った俺だった。


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