危険な囚人達と女子高生達と俺が無人島に流れ着いた件

名も無き種の葦

第1話 囚人の首輪と高飛車お嬢様

ザザーーーン……


静かな波の音がする。

耳に心地の良いそのしらべに微睡みながら、俺はふわふわとした浮遊感に包まれていた。


「な、なんなんですの!?

 これはーー!!」


少女の声。


「いったい、何がどうなっていますの!?」


金切り声と呼ぶに相応しい

キンキンとしたヒステリックな声。


「…うるせえな」


ジャブッ、パシャン


俺は体を起こした。

全身がずぶ濡れだ。

しかし、肌寒さはない。

むしろ、突き刺さる鋭い太陽の日差しから水が体を守ってくれていると感じる。


おかしいな?

今は秋も深まってきた時節だと思うが。


「あ?なんだこりゃ。

 一体どうなってやがる」


「!! それを聞きたいのは

 わたくしのほうでしてよ!!」


じゃぶん!じゃぶん!


女、いや、少女か。

俺と同じく全身ずぶ濡れの美少女が、この浜辺の波をかきわけて近づいてくる。


タートルネックのベージュのセーターと深緑色のスカート。黒のタイツと革靴。

制服?

女子高生か?


ともかく、彼女の格好も

とてもこんな南の島にそぐう物でない。

水を吸ってだぼだぼになった冬服を着たまま時折転びかけながら、よろよろと近づく。


「あなた、添乗員でしょう!?

 一体何が起きてるのか、説明なさい!」


少女は眩しい金髪を腰まで垂らしていた。

気の強そうなややつり目に高い鼻。

濡れてぴっちり張り付いたセーターは、厚着でもその豊満なバストを隠しきれていなかった。


ざぶん!


彼女はこちらまでたどり着くと、

俺の同じくずぶ濡れのコートの襟を掴み少女にしては強い力で前後にゆすった。


「皆様はどこにいきましたの!?

 どうして私だけここに!?

 答えなさい!!」


「いや、俺は…」


少女に揺すられながら、俺は言葉に詰まる。

待てよ…?俺は一体、なにものだ?

どうしてこんなところにいる?


俺はそこでようやく、

自分自身が記憶喪失に陥っていることに気付いたのだった。


「答えなさいよ!!

 ここは一体、どこなんですの!?」


「…ちっ、うるせえな」


バチィン!!


「ひっ」


ザブゥン!


少女は、俺に頬を叩かれて波の中に倒れ込んだ。


「ひぐっ……うぇーーん……」


そして、一瞬顔をくしゃくしゃにした後、声をあげて泣きじゃくりはじめる。


「……ちっ、めんどくせえ」


俺は、無性にイライラしていた。

何も分からないのはこっちも同じだ。

記憶を失った俺には、この少女と自分自身との関係性すら分からない。


くそっ!

殴って良かったのか!?こいつは。


「えーーーん、えーーーーーん」


俺はコートのポケットから煙草を取り出す。

火を付けようとしたとき、

自分がびしょ濡れだったことを思い出す。

ちっ、着くわけねえか。


おちついて周りを確認してみる。

辺りには、残骸が散らばっていた。

船の残骸と、飛行機の残骸。

どうも、二種類が入り交じっている。

どういうことだ?


「……ん?あれは……」


遠くで、何かが並んで浮いている。

あれは人か?

いや……


「……死体か?」


近づいてみると、死体であった。

なぜか、遠目から事切れているのが分かったのか。それはうまく説明できない。

ただ、俺は人の死体を見慣れている。

だから分かった。そんな気がした。


「囚人と、看守の死体か?こりゃ」


死体は手錠でお互いが繋がれていた。

片方は筋骨隆々として囚人服を着ていてもう片方は看守の制服を着ている。


「……女子高生の次は、

 囚人と看守の死体かよ

 ますます意味分かんねえな」


囚人の死骸の首には

犯罪者の逃亡阻止を目的とした

囚人の首輪がつけられていた。


黒光りする金属製の首輪だ。

その重量で、囚人の頭は海面から沈んでいた。


「看守は…おう、銃を持ってるな。」


看守の腰に着けられた拳銃ホルスターを外すと、俺は自分の腰に装着した。


「きゃ、きゃああああ!!!」


再度、金切り声。

いつの間にか、先ほどの女子高生が近くまで来て二つの死体を見て大声をあげていた。


「ひ、ひ、ひとごろしぃぃ~~!!」


「はぁ??」


人殺し?何言ってんだこのデカパイ小娘は。


ザブゥン!


「い、いやぁ!来ないでーー!

 助けて、だれかぁぁーーー!!」


ヒステリックに喚き散らす金髪の女子高生。

腰が抜けたのか、打ち寄せる海岸の波に揉まれながらよちよちと這いずって俺から逃れようとしている。


ちっ!他の誰かに見られたら、俺は凶悪殺人犯かなにかに思われることだろう。

しかし、狂乱状態の小娘相手に誤解を解くのも面倒だ。


「……そうだ、囚人の首輪があったな?」


ザブン!ザブン!


少女は、俺に大きい尻を向け、這って、無我夢中でどこかに逃れようとしていた。

囚人の首輪を手にすると、俺はその後を追った。


「おい、そこの女子高生!止まれ!」


俺が声をかけると、金髪の女子高生は四つん這いのまま振り返った。


「!! ひ、ひぃぃ!!」


片手に拳銃、片手に金属製の首輪を持った俺の姿を見つけたその少女は顔を真っ青にした。


「いやぁぁ!!助けてぇ!!

 お父様、お母様ぁーー!!」


「あっ、こら!てめえ!!

 止まらないと撃つぞ!?」


じゃば!!じゃぶっ!じゃぶ!


結果から言えば、脅しは逆効果だった。

女子高生は必死になったのか、渾身の力を振り絞り、立ち上がると、波をかき分けて陸地へと走る。


「だれか、だれかぁぁーーー!!」


「くっ、逃げられるのはまずい……

 待てコラ!!」


じゃぶじゃぶっ!


俺から必死に逃れようとする少女。

体を激しく動かしたためか、

女子高生の深緑色のスカートは濡れた重さでずり落ちて、ピンク色のパンティの上半分が顔を覗かせている。

スカートがすべて脱げてしまわないのは、ひとえに金髪女子高生のヒップが豊満で、派手に揺れる尻肉のボリュームが妨げているに過ぎない。


ちゃぷ!ちゃぷ!


水しぶきをまき散らしながら鋭い虹色に輝く金髪を振り乱し、両方の腕をくの字の翼に上半身をくねりながら走る少女。時折、こちらに振り返るときに覗く瞳の中には恐怖と混乱がぐるぐると回っている。


「助けて、だれか、助けてぇーー!!」


ハァ、ハァ、


所詮、女の速力だ。

男の俺から逃れられるはずがない。


徐々にその細い肩。きゅっとしたウェスト。

年齢の割に洗練された女のシルエットはその解像度を増していく。

右の後ろ肩に、小さなほくろがあるのが見える。透けたブラジャーの肩紐が、片方はずれかけているようだ。揺れた爆乳が背中からはみ出して、重厚なリズムで左右から顔を覗かせている。


「ひぃ、ひぃっ、だ、だれかあぁ……

 いや、いやああぁぁ……」


体力の限界が近いのだろう。そのセクシーな声色は最早、息絶え絶えといった感じだ。

いい匂いが俺の鼻腔に香る。海の潮臭さに思春期の少女のすこし強く、甘い香りが混ざっている。少女向けの芳香剤か、シャンプーの香りか。


少女の小さな背中が手に届くほどになったとき、俺は自分の男性自身がガチガチに膨れ上がっていることを自覚した。


ざっ、ざっ、ざっ


「ふっ、ぐふふ

 つ~かまえたってなァッ!!」


ガバァ!!


俺は少女に飛びついた。

タックルの要領で、逃げる少女の背中に抱きついて、海水と汗でべたついた女子高生の金髪に顔をうずめた瞬間、俺の中の野獣が咆哮をあげているのを感じた。


むにゅっん、むにゅんむにゅん


「キャッ、キャアーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!」


痴漢にでも出会ったかのような女子高生の叫び声。豊満な双丘の感触。先端の少しこりこりした感触を、俺は両の手のひらで味わっていた。


ドサァアッ!!


「イヤアッ!イヤッ!!イヤアーッ!」


脳の隅々にまで広がったアドレナリンの甘い破壊衝動。全能感に包まれる俺の力の前に、扇情的な肢体をくねらせる少女の抵抗は無意味に等しかった。


「すげえ、エロイ胸だな。

 何カップなんだ?んん?

 Gカップか???」


「ひ、ひいいいーーー!」


泣きじゃくる少女。手をまさぐる俺。

ギュッと握りしめると、女子高生の乳房のハリの良さと、芯の堅さに思わず驚嘆する。こんなデカパイでありながら、この娘はまだまだ青い少女なのだ。


「ひっく、ひっく、

 助けて……許してぇ……」


無我夢中。気付けば、南の島の浜辺で、照りつける太陽の日差しの下、衣服が乱れたびしょ濡れの女子高生に、俺は跨がっていた。

支配的な獣欲。圧倒的な優越感。

怯える少女。甘い蜜が目尻から止めどなく溢れている。しゃくりをあげるたびに、彼女の豊満な胸が揺れて俺の股間に視覚的な奉仕をする。


「ふ、ふふ

 逃げられちゃ困るんでなっ」


ガチャリッ


俺は少女に囚人の首輪を取り付けた。


太さ10cmはある鉄の塊には、浜辺の白い砂粒がついている。屈強な囚人を無力化するために作られた拘束具は、いまや幼い未成年の細い首にかけられている。これで、少女が俺の元から逃げ出すことは絶対不可能になった。


「お前は、今から俺の奴隷だぜ……」


「ひっく、ひっく、」


首輪をつけられた女子高生が泣きじゃくる様を見下ろして、しばし愉悦に浸った俺。

自分の所有物となった豊満なバスト。

こころなしか、はりが増してきたのはなぜだろうな?

その双丘へと、野獣となった雄の無骨な手をかけた。


ここから先は、お遊びじゃないぜ?

高飛車なお嬢様?

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