第2話 なんという美しさ!!

みんなの視線が再び扉へ向けられる。


そこには正真正銘のイケメンがいた。

女子が騒ぎ出す。

そんなの気にもとめず転校生は教壇に立つ。


「今日からよろしく。俺の名前ははなびし きょうや。」

軽くお辞儀をして黒板に文字を書く。

「漢字はこれ。」

花菱 恭也 とデカデカと書かれていた。

サラサラの黒髪、白い肌、そして何より身長が高い。


なんだろう胸の奥がムズムズする。

妙に自信のある態度に寒気がするのだろうか?


みんなが同時に質問を浴びせる。

「彼女は?!」

「好きなスポーツ何ー??」

「前の学校ってどこだったの?」

俺だったら身長聞くのに、なんて思いながら見ていると、転校生はこう答えた。

「恋人募集中でーす!」

たったそれだけ、その一言で女子の目に光が宿った。


先生は苦笑いしながら転校生に言う。

「そこの席が花菱の席だよ。」

先生の指さした先は俺の隣の席だった。

やっぱりな…


女子が一斉にこちらを向く。敵意剥き出しで面白い。

みんな隣の席がいいのだろう。


俺は歩いてくる転校生を見ていた。

今、俺に微笑みかけた?!

え?!?!

太陽かと思った。


席に座るなり転校生は声をかけてきた。

「よろしくね。」

「うん、よろしく。花菱さん」

「恭也でいいよ。」

「あ、うんわかった恭也。」

「うん、ありがと。」

「ちなみに、こっちで初めて恭也って呼ばれた。」


え!?なに!?

初めて!?

そんなにニコニコして言うことか!?


なかなか手ごわい相手かもしれない…

俺はそう思いつつこいつは可愛いと思ってしまった。

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お前ってやつは!! 腐の鑑 @o0p_q0o

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