扉の隙間から

進藤 進

第1話 温もり

薄闇の中。

足を忍ばせて。


僕は。

布団の中に身体を滑り込ませる。


「ふぅ・・・」

微かに漏れる甘い息。


顔を近づけると。

長い睫毛のカーブが揺れていた。


恐る恐る頬に当てる。

僕の右手が震えていた。


起こさないように。

君の眠りを壊さないように。


それでも。

僕の口元は。


嬉しさに綻んでいたんだ。


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