短めのお話でありながら、お話の構成が実に丁寧です。
廃墟同然の旅館の修繕、枯れた源泉の原因究明、そして迎えた温泉宿の開業日と、それぞれにメリハリがあり、丁寧ながらもテキパキとお話が進んでいき、読みやすいという印象を受けます。
スキルだの魔法だのといった都合の良いチート要素がないのもまた、本作の緩やかさと実に相性が良いですね。
ああいう手合いが好みでない層には、スッと寄り添うようにフィットすることでしょう。
少々お話の毛色が「善」に寄り過ぎていることが多少好みが別れそうですが、疲れた心に寄り添うには、このくらい多分に優しさが溢れていた方が良いのかもしれませんね。
とても穏やかな気分で読める作品でした。