sideレオンとパーティー結成


「みろよ、あの新人。また正義の栄光グランドジャスティスの仕業か?」

「ひでぇことするよな。全適性オールラウンダーのにいちゃんもあそこから追放されたって泣いてたぜ」


 ひそひそとされる正義の栄光グランドジャスティスの悪評に僕は肩を落とす。


「なんで僕が……」

 追放されなくちゃいけないんだ。

 そんな言葉が喉から出かけて飲み込む。

 僕は正義の栄光グランドジャスティスにおける何かが足りなかった。

 

「ねえ君も正義の栄光グランドジャスティスから追放された口?」


 ふと後ろから優しそうなお兄さんに声をかけられる。


「はい……」

「そうか。君もか」

?」

「あぁ自己紹介が遅れたね。俺はアレク。君と同じで正義の栄光グランドジャスティスを追放されたものだ」


 僕以外にも追放された人がいたらしい。

 もしかして正義の栄光グランドジャスティスはさっき噂をされていたように、とんでもない悪のパーティーだったのかもしれない。

 そんな考えがふと頭をよぎる。


「君のその考えは半分正解で半分間違いだ」

「……というと?」

正義の栄光グランドジャスティスは初心者を引き込むだけ引き込んで追放する悪徳パーティーという側面もある。だが、俺達に新しい活躍の場を与えてくれているとも言えないか? それに俺達は新人だが、ラルコスに冒険者としての生き方を教えてもらっている」


 追放する理由には全くなっていないが、一理はある。

 ラルコスさんは不器用な人だった。

 だけど、わからない物事は優しくわかりやすく教えてくれた。

 リルさんやアリスさんだってそうだった。

 新天地を見つけて欲しいという意味を込めて追放という形をとっていてもおかしくはない。


「そこでだ、少年」

「僕は少年じゃなくてレオンです」

「そうか。すまない。レオン少年、俺達でいや正義の栄光グランドジャスティスを追放された者達でパーティーを組まないか? ラルコス達の悪評を俺達で取り払うんだ」

「まあ僕はいいですけど……」

「本当か? じゃあ早速結成だな。俺は全適性オールラウンダーのアレクだ」

「聖騎士レオンです」


 僕とアレクさんはガッツリ熱い握手を交わす。

 確かに追放はされたけど、冒険者のイロハや生き方を新人の僕に教えてくれたラルコスさん達にいつか恩返しをできるようにと祈り込めて。


―――――――――――――――――――――――


「また追放したんですか?」

「あぁ。レオンはもう俺達の手に負えるような冒険者じゃない。彼は大成する」

「私達はこんなラルコスについて行くって決めたからいいけどギルドで悪評が広まっちゃうよ?」

「そうです! 最近は追放にだってギルドは厳しいんですからね!」

「わかっている……。だがどうしても優秀な新人が俺達のパーティーで腐って終わって行くのは見てられないんだ」


 思えばいつからだろうか?

 俺が冒険者として最強を目指さなくなったのは。

 世界最強。

 そんな称号に憧れた日も確かにあった。


「それが今や追放系パーティーのリーダーか」


 俺は少し昔を思い出し懐かしむのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る