「穴の開いた男」を見る男の話です。
奇妙な状況を端的な言葉で表現し、ぐいぐい話に惹き込んで行きます。
それこそ穴に落ちるように――
人生は薄氷を渡っているようなものだ、とはよく言ったもので、一見順調そうに見えてもどこに落とし穴が潜んでいるかわかりません。
だから我々は、その瞬間瞬間を可能な限り充実させるしかないわけですが、「充実感」の基準を自分の内ではなく、「世間」に見出してしまうと、ふとした時に空虚に見舞われてしまうんですよね。
果たしてそれは本当に自分の望んだものだったのか、と。
主人公の男は穴の中に何を見たのか。
見事なオチです。