こわい。
とにかく、こわい。
帰郷ものかと思わせておいて、待っているのは“挨拶三連ポージング”の村。しかも全員本気。褌一丁でフロント・リラックスを決める老人たち。僧帽筋が祈りのように盛り上がる老婆。筋肉が「心」だと真顔で語る文化。冗談の余地が一切ないのが、いちばん怖い。
もし夜道を歩いていて、街灯の下にむきむきのおじいさんおばあさんが無言でバック・ダブルバイセップスをしていたらどうする? 私は確実に泣く。通報より先に泣く。
しかもこの村、筋肉を神聖視している。姿勢の乱れは罪。挨拶はポージング。筋肉が荒ぶる。祈りのようなモストマスキュラー。
笑っていいのか震えていいのか分からない異様さが、じわじわと皮膚の下に侵入してくる。
これはギャグではない。
全力のマッスルホラーである。
そして、マジでこわい。