ユーモラスな語り口なのに、読んでいるうちに胸の奥がじわっと温かくなりました。日常の小さな出来事が、人生を変えるきっかけになる、その瞬間を軽やかに描いていて素敵です。坂道や腰の痛み、予想外の亀との出会い、それらがすべて“自分の歩幅で進む”というテーマに繋がっている気がしました。読後に「自分も少し歩いてみようかな」と思わせてくれる、そんな素敵な掌編でした。