第3話 新着メッセージがあります
肩から腹にかけて、バッサリと斬られたストームエイプの死体。
たったひと振り。
おざなりな構え、震える手で放ったへにょへにょのムーンエッジがこの大猿を仕留めたのだ。
(って、今はそんなことより! )
「ゴンダさん! 大丈夫ですか!? 」
「タカシ……お前……つよい、ん……だな」
「ゴンダさん、ゴンダさん……! 」
「マスター落ち着いて。 彼は気を失ってるだけです。 まずは止血を」
「そ、そうだ。 確かここに……あった、救急キット」
一フロアに必ず一つ置かれている救急キットには緊急時のための回復アイテムが詰め込まれている。
一応法律で現場の安全を確保するよう定められているが、薬のような消費期限付きの消耗品に関してはなあなあな所も多い中、ゴンダさんは日ごろから救急キットの配置と中身のチェックを徹底させていた。
「出血が止まった……」
作業着を脱がせ傷口にヒールポーションをぶっかけると、意識を失っているゴンダさんの表情が少し和らいだ。
「マスター、この場所は未だ不安定な状態です。 新たなモンスターが生まれる前に移動を推奨します」
「分かった」
朧と一体化してから突然話しかけてくる彼女に驚かされることが続いていたが、こういう時話せる相手がいるのは心強かった。
ゴンダさんを採掘した鉱石やアイテムを運ぶための手押し車に乗せ、俺たちは採掘場から脱出した。
◇◆◇
「マスター、おはようございます」
「ふぁー、おはようさん」
築うん十年のボロアパート。
204号室。
どうやら昨日は、あまりの疲れで玄関で寝落ちしてたらしい。
「マスター。 トークストーンが点滅しています」
「っと。 よかった。 ゴンダさんからだ。 あれから意識が戻ったんだな」
「ゴンダさん。 昨日救助したドワミン族の男性ですね」
「ああ。 俺の上司で、いろいろとお世話になってた人だから……無事でよかった」
「よかったとは、つまり。 マスターは嬉しいということでしょうか? 」
「ほっとしたってのが一番だが。 まあ嬉しいってのも間違いじゃないな」
「ほっと……」
まだ数日の付き合いだが朧からこうやって質問してくるのは珍しい気がする。
「ん? まだ新着メッセージがあるな」
元地球人の俺からすれば殆どスマホとかわらないトークストーンを操作し、通知一覧を確認する。
「差出人は、冒険者ギルド……。 冒険者ギルド!? 」
冒険者ギルド、ニュートウキュウ第三支部。
ヒノテラスの首都ニュートウキュウ。
その西部を管轄する冒険者ギルドのギルドマネージャーを名乗る人物から、俺宛にメッセージが送られてきていた。
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