掃除屋 ~佐々木~

田村ひさし

第1話 佐々木一

 小鳥が鳴く朝。今日も私、佐々木一ささき はじめ(27歳 男)は清掃のバイトを始める。私は自分の住むマンションで清掃のバイトをしていて、収入は主に他の清掃バイトとwebページで募集している清掃代行の依頼料で得ている。そんなこんなで朝の気分に浸っていると、スマホがピコン、と通知音をたてた。


「ん…おっ。」


 久しぶりに清掃の依頼が入った。だが住所を見るとどうやらここは…


「えー!知らなかったです!まさかお隣さんの…えーっと…」


佐々木ささきです…。」


「そうっ!佐々木さん!」


 よりにもよって依頼主は今まで正直、あえて避けていたお隣の岬春奈みさき はるなさんである。岬さんの様子を見る限りおそらく大学生になったタイミングで心機一転一人暮らしを始めた学生であろう。家の中は確かに…汚い。


「見苦しい部屋ですいません!…えへへ。」


 そうしててきぱきと清掃にかかった時、


「あのー、これは…。」


「…っひゃぁ!!」


 彼女の何ともいやらsi(…大人っぽい赤の下着が出てきたのである。彼女も勝負下着だったのか、思わず勢いで奪い取り、引っ込めた。


「べ、別に機会なんてないのに…バカですよね私~…。」


 …気まずい。どうも耐えられないほどに気まずさが限界突破しそうだったので、さすがに今回の依頼はこちらからキャンセル(ガッツリ拒否)させていただいた。彼女は何か誤解しそうだったので、別に淫乱だとか、ビッチとかなんて思ってないと神に誓って弁明した。俺はこれからどうなるのだろうか…

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