狂気の魔法
夢波たま
第1話 プロローグ
何度もあなたを抱いた。
幾度も夜を重ね、心も、身体も、
思い通りにできたはずなのに、
満たされない。
乾いていく。
渇望は深まるのに、
癒えることはない。
本当の愛はどこにあるのか。
あなたの瞳に映る「自分」は幻影か
それとも、まだ見ぬ真実か。
真実の愛を欲しがる心に、わざと目を閉じる。
認めてしまえば壊れてしまうから。
なのに、身体だけは忘れてくれない。
触れた熱を、抱いた夜を、
何度でも思い出してしまい、
離れられないまま、
共依存の沼に沈んでいく。
快楽には忠実でいられるのに、
愛だけは嘘で覆い隠す。
過去の傷も、
犯した過ちも、
絡みつくしがらみも、
解けない鎖のように足を縛る。
そこから逃れることはできず、
けれど、縛られたままでは、
愛を知ることもできない。
だから「結ばれたい」という願いに、
いつも蓋をしてしまう。
もしも魔法が使えたなら。
時間を巻き戻し、
運命の糸を編み直せたなら。
過去も、過ちも、しがらみも、
すべて煌びやかな粉になって宙に舞い、
眩いラメのように、
夜空へ吹き飛ばされて消えてしまえばいい。
ただの自分として、
ただのあなたと、出会い直せるのなら。
そのとき初めて、
ハッピーエンドは訪れるのだろうか。
それとも魔法などどこにもなく、
この渇きは永遠に、
自分とあなたを絡め取りながら、
終わりなき沼へ堕ちていくだけなのだろうか。
狂気の魔法
吐く息が白く凍るほどの冷気に包まれ、テーマパーク「トミーズランド・ジャパン」は、一年で最も静けさを纏う季節を迎えていた。
華やかなクリスマスを終え、春の祭典を待つこの時期、園内を歩くゲストはまばらだ。
広々としたストリートには冬の名残をとどめる装飾がまだ輝きを残し、遠くにそびえる城も、観客のざわめきより冷たい風の音に包まれている。
だが、この国で最大の規模を誇る夢の国の存在感は、閑散とした季節にも揺らぐことはない。
「トミーズランド・ジャパン」――
その運営の頂点には、海を越えた本場「トミーズランド・アメリカ」がある。
世界最大のテーマパークを本拠とするアメリカ本社の意向が、日本における日々の運営や施策にまで細やかに及んでいた。
ジャパンは独立した支社ではなく、本社直轄の一部門として存在し続けているのである。
その舞台裏で、ゲストの笑顔を支えるために駆け回る者たちがいた。
――その一人が、早瀬ゆりであった。
日本支社で新卒採用されたばかりの正社員。
早瀬ゆりは、フード部門のスーパーバイザーとして任務に就いていた。
調理師免許を持つ彼女は、厨房で包丁を握ることもあれば、フロアに立ってゲストへ笑顔を届けることもある。
本来の役割は監督者として現場を統率することだが、人手が足りなければどのポジションにも飛び込み、誰よりも速く動く。
シフトは早番と遅番。
オープンから夕方までか、昼前からクローズまで。
土日は常に勤務で、休みは平日の不定休。
二月の冷たい風に頬を赤らめながら、閑散とした園内を駆け抜けるその姿は、華やかな季節には見えにくいパークのもう一つの顔、裏方の喧騒を映し出していた。
そんな彼女がこの場所に立つ理由は、単なる仕事ではない。
世界中で愛されるトミーズ・アニメーション。
幼い頃からテレビや映画で親しみ、キャラクターに夢を託して育ったゆりは、いつしか「自分もこの世界の一部になりたい」と願うようになった。
子どもの頃に抱いた憧れを胸に、努力を重ねて掴んだ入社の切符。
今、その夢は現実となり、目の前のゲストを笑顔に変える日々へとつながっている。
静かな冬のパークで、冷たい風に晒されながらも走り続ける若きスーパーバイザー。
早瀬ゆりは、今日もまたこの巨大な夢の王国の歯車として、確かにそこに息づいていた。
昼前のパークは、まだ静けさをまとっていた。
だがバックステージの空気は違った。
無線が立て続けに鳴り響き、慌ただしい報告が飛び交う。
「届いていない?本当に?」
パーク側フード部オフィスのデスクに置かれた注文書を見つめ、ゆりは血の気が引いていくのを感じた。
今日の昼は、VIP会合用の特別ランチ。
いつもなら指定の食材が早朝には搬入されているはずだった。
しかし、どこを探しても見当たらない。
配送記録にも異常なし。
それなのに現物は、ない。
(よりによって今日に限って…!)
胸がざわめく。
会合に並ぶのは、本社の重役と日本支社の要職たち。
料理一皿の不手際が、会社の信用すら揺るがすかもしれない。
だが立ち止まってはいられなかった。
ゆりは無線を握りしめると、すぐに決断した。
「和食から鮮魚と出汁を、洋食からはバターと野菜、中華からは海老と特製ソース…」
厨房を駆け抜けながら、食材を少しずつかき集めていく。
どのレストランも昼の仕込みで手一杯。
シェフに助けを求めれば現場が崩れる。
だから彼女は、ただ頭を下げて余りを譲ってもらうだけに留め、自分の腕で道を切り開くことを選んだ。
(やるしかない。材料が足りなくても、見栄えと味でごまかせば…!)
心臓は早鐘を打つ。
それでも手の動きは迷わなかった。
包丁を握れば、すべての雑念は消える。
鮮魚を引く音、野菜を刻む音、鍋から立ちのぼる香り。
全てがリズムのように彼女を突き動かしていく。
時間との戦い。
頭の中で味の構成を組み立て、即興で盛り付けのバランスを描く。
少しでも贅沢に見えるように。
VIPにふさわしい一皿に。
その一心で、ゆりはただひたすら手を動かした。
やがて目の前に並んだ料理は、どれも即興とは思えないほど艶やかだった。
白い皿の上で輝く海老、濃厚なソースに包まれた肉、彩りを添える新鮮な野菜。
香りが厨房を満たした瞬間、周囲のスタッフの表情に安堵が浮かぶ。
「……これなら、出せる」
深く息を吐き、ゆりは汗に濡れた額をぬぐった。
不測の事態に翻弄されながらも、彼女は一人で戦い抜き、結果を形にしてみせたのだ。
その小さな勝利は、静かな冬のパークの中で、確かな誇りの灯火となって彼女の胸に宿っていた。
パークのバックステージを料理運搬用の小型車で走ること五分。
ゆりは、銀色のワゴンを押しながら本社大会議室の前に辿り着いた。
息が上がり、肺が冷たい空気で焼けるように痛い。
それでも両手に感じる料理の温もりが、自分を奮い立たせていた。
「失礼します」
扉をノックし、ゆっくりと開いたその瞬間――
視界に飛び込んできたのは、白衣を纏った寿司職人が、オープンキッチンで流れるような手さばきで握り寿司を披露する光景だった。
円卓を囲む数名の男性たちの前で、鮮やかなネタが次々と並んでいく。
(え…寿司?なにこれ、聞いてないんだけど)
実は、ゆりたちがVIP用のメニューを考え、材料を発注した数日後のことだった。
会合の前日に、アメリカから来日した幹部たちが「日本で最初の昼食は寿司がいい」と急遽リクエストを出したのだ。
上層部は即座に判断し、発注済みの食材をキャンセル。
代わりに出張寿司職人を手配した。
だがその決定が現場へ正しく伝わらず、ゆりだけがいつも通りの準備を進めてしまっていたのである。
数秒間、頭が真っ白になり、足がすくんだ。
重役達から集まる視線。
慌てて背筋を伸ばし、ぎこちなく頭を下げる。
「す、すみません!お部屋間違えました!」
声が裏返る。
その場から逃げるように扉を閉め、廊下へ飛び出した。
心臓は胸を突き破りそうなほど激しく打ち、耳の奥で鼓動が響く。
(そりゃ材料届かないわけだ。完全に二重発注のミスじゃん…メール確認したのにどこで連絡止まってたの?)
必死で走り回って、和洋中の厨房を駆けずり回って、食材をかき集めて……。
その努力が、こんな形で無駄になってしまったのかと思うと、力が抜けてワゴンがやけに重く感じられた。
料理から温もりが逃げていくようで、胸が締めつけられ、エレベーター前で立ち尽くす。
これをレストランに戻すわけにもいかない。
どうすればいいのか分からず、視線を落としたまま、ただ銀のワゴンの取っ手に手をかけていた。
――その頃、会議室の中。
メガネを掛けた重役の男が隣に座る男へ身を傾け、低く囁く。
「あの子、いいな…今日はあれで頼む」
囁かれた側は唇の端を上げると、軽く頷き、幹部たちへ爽やかな笑みを向けた。
「…ちょっと失礼します」
椅子を立ち上がり、自然な足取りで扉の外へと出ていく。
廊下に出ると、エレベーター前に小さな背中があった。
銀のワゴンの取っ手にもたれ、うなだれるゆり。
あれだけレストランを駆け回り、シェフたちに頭を下げて食材をかき集めたのに、今さらこれを厨房に戻すこともできず立ち尽くしている。
「ねぇ君」
後ろから突然声をかけられたゆりは、肩がびくりと跳ねる。
「あ…!はい!」
慌てて顔を上げると、背の高い男が静かに立っていた。
耳まで隠れた、少し長めでストレートな黒髪。
キリリとした大きな目に端正な顔立ち。
どこかで見覚えがある。
落ち着いた微笑を浮かべ、その視線は真っすぐにゆりへ注がれている。
「………そこでなにしてんの?笑」
「あ、いやぁ…えーと、これはですねぇ、そのぉーなんというかぁ…」
しどろもどろに言葉を探す自分に、顔が熱くなる。
その瞬間、頭の中で探っていた記憶が閃いた。
(この人…!入社式の時の映像で見た…めちゃくちゃ偉い人…鳳条代表取締役!?やばいやばいやばい、どうしよう…!)
鳳条 蓮(ほうじょうれん)――。
その名を知らぬ者は、この業界にはほとんどいない。
日本国内でトミーズランドの運営・経営権を握るのは、彼の父が代表取締役会長を務める「鳳条リゾート株式会社」だ。
蓮自身は現、代表取締役CEO。
次期会長の座が約束された後継者であり、若くして既にその経営戦略能力が逸脱している事から、現在は実務の大半を任されている。
つまり、実質的に日本のパークを動かすトップだ。
彼の父はアメリカ本社の経営戦略や運営方針会議に名を連ね、海外出張に明け暮れているため、国内に姿を見せることはほとんどない。
その空白を埋めるように、有能な若き鳳条蓮が第一線に立ち、数万人のキャストと、数千億規模の事業を統率していた。
「え…まさかそれ、もしかして用意したの?」
蓮がワゴンを指差す。
ゆりはごくりと固唾を飲み込んだ。
「あー……はい…………」
声が小さく震える。
「えっ!?今日材料届かなかったでしょ?どうしたの?てか、それどーすんの」
矢継ぎ早に問われ、視線を泳がせる。
言い訳のように呟いた。
「えーと…どうしようかなぁ…自分で食べます…」
不器用な答えに、蓮は小さく笑った。
「じゃあさ」
わざと間を置き、爽やかに笑いながら声を落とす。
「それ、今からラウンジに運んでくれない?君が」
VIP専用、会員制の特別ラウンジ――
パークの一角に隠された秘密の空間。
一般キャストですら滅多に立ち入ることのできない場所だった。
「料理運んだら、到着したゲストに料理の説明と、提供役も君に頼むよ!テーブル担当者として最後までよろしく」
その言葉を残すと、蓮は踵を返し、会議室へ戻っていった。
一人残されたゆりは、慌ててワゴンを押し、再び運搬用の小型車へと積み込む。
冷たい冬の空気を切り裂くように、車はバックステージの通路を走り出した。
蓮は静かに会議室へ戻ると、メガネの男の耳元に囁いた。
「桐生統括、ご準備できました」
男は淡く頷き、椅子から立ち上がる。
背筋の伸びたその姿は、円卓を囲む日本支社の幹部たちにとって逆らいがたい威圧を帯びていた。
「この後は休憩として自由時間を設けます。午後の会合は14時から再開といたします。それでは一旦、失礼いたします」
一言一句、整然とした調子。
その声に合わせて幹部たちが一斉に返事をした。
――桐生司(きりゅうつかさ)。
アメリカ本社からの監視・交渉権限を持った特別派遣幹部にして、日本支社全体を監督する権限を持つ国際事業統括ディレクター。
海外子会社の数字と方針を本社に一致させるための“監査役”として送られる者は多いが、彼は特に例外的な存在だった。
契約交渉に強く、“交渉の切り札”として重用されている。
そのため来日は一時的な監督ではなく、経営判断そのものに口を出せるほどの権限を与えられていた。
日本支社の取締役達すら彼の前では言葉を選ぶ。
会議の場では「本社の意向」を代弁する存在であり、誰も軽々しく逆らうことはできない。
だが、実務に深入りすることはなく、常に一歩引いた立場から監督・統制・判断を下す。
十四歳でアメリカの高校を卒業し、十六歳で大学を卒業した彼は、早々に実力社会へと繰り出し、海外事業で類い稀なる能力を発揮し、若くして圧倒的な権力を我が物にした。
静かに座しているだけで、周囲の空気を支配する。
そんな人物だった。
司と蓮が並んで会議室を出ていく。
扉が閉まった瞬間、先ほどまでの緊張感はすっと霧散し、廊下に二人だけの足音が響いた。
白い照明の下、並んで歩きながら、蓮が口を開いた。
「司、よりによって今回はフードの子かよ」
先ほどまでの丁寧な声音とは打って変わり、気安い響きだった。
司は笑みを浮かべ、肩をすくめる。
「それがどうした?」
「フードは慢性的に人手不足なんだよな。今回手ぇ出したら、あの子もどうせ辞める」
吐き捨てるような蓮の言葉に司は平然と答える。
「人なんか、いくらでもまた雇えばいいだろ」
冷徹なまでに合理的な言葉。
それなのに、互いの表情には微かな笑みが宿っている。
公の場では敬語を使い合う二人。
だが廊下で二人きりになった途端、長年の悪友のように対等な空気をまとっていた。
若くして成功を治めた二人は不思議とお互いの感覚に共通点も多く、馬が合った。
「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」
ゆりは深く腰を折り、二人を個室へと案内した。
重厚な扉を開ければ、そこは外の喧騒から完全に隔絶された静謐な空間。
厚手のカーテンに遮られた窓、柔らかい絨毯、磨かれた木のテーブル。
空気さえも特別に仕立てられたような、閉じられた世界だった。
「お飲み物がお決まりになりましたら、お呼びくださいませ」
懇切丁寧に言葉を添えながら、ゆりはテーブル担当としての役目を果たす。
料理を一皿ずつ運び入れ、震えを隠すように笑顔を作り、用意した説明を口にする。
だが、途中から気づかずにはいられなかった。
――ひとりの視線。
(なんで…この人ずっと私の事見てくるけど…)
熱を帯びた視線が肌に突き刺さり、背筋がじりじりと焼ける。
(対応おかしいのかな?…私、変なことしてる?)
落ち着こうとするほどに胸の鼓動は早まり、緊張が高まる。
一通り料理の説明を終えると、ゆりは深く頭を下げた。
「それでは、ごゆっくりお過ごしくださいませ」
そう言って個室の扉に手をかけたその時。
「ちょちょちょ、どこ行くの」
蓮の声が背中を射抜いた。
「はい……?」
振り返った瞬間、血の気が引いていく。
(やばい…私、何か失敗した!?)
ゆりは焦りで顔が強張るが、蓮は笑みを浮かべ、料理を軽く指さした。
「さっき、自分で食べるって言ってなかった?これ」
「え……はい?」
返事をした途端、頭が混乱する。
(いや…確かに言ったけど…まさかここで?今?)
軽くパニックになり、呼吸が浅くなる。
「早く座って」
蓮の声音は命令というより悪戯めいた響きを含んでいた。
(……あー…からかわれてるんだ)
そう思った瞬間、咄嗟に作り笑いが浮かぶ。
「…ありがとうございます。ですが業務がありますので」
にこりと会釈し、退こうとしたその腕を、不意に掴まれる。
「ねえ、君、俺のこと知ってる?」
「……っ!」
鋭い力に腕を止められ、背中にじっとりと冷たい汗がにじむ。
(え、冗談…じゃない……?)
必死に口を動かす。
「……入社式の際に映像で拝見いたしました…鳳条代表…です」
「凄いね!知ってるんだ」
愉快そうに笑う蓮。
その笑顔に心臓が掴まれたように縮む。
そして、隣に座る司を顎で示す。
「じゃあ、この人は…?知るわけないか。アメリカ本社の役員幹部だよ」
ピシャーーーーン!!
頭の中に稲妻が走り、世界が白く弾け飛んだ。
視界の隅でガラスの破片が飛び散るイメージ。
ゆりの目は大きく見開かれ、今にも白目を剥きそうになる。
(えええええええーーーーっ!?!?!?)
心臓が喉から飛び出しそうで、膝がガクガク震える。
気を失う寸前のような感覚に、必死で笑顔を貼り付ける。
「…っえ…あの…」
声が裏返り、場違いな空気だけが個室に広がっていった。
蓮がスッと立ち上がった。
重厚な革張りのソファから伸びる長身、その動きは流れるように滑らかだった。
「奥どうぞ」
差し伸べられた手のひらが、ソファ席を示す。
先ほどまで掴まれていた腕が解放され、ゆりは一瞬、息を飲んだ。
頭が真っ白のまま、言われるがまま足を進める。
緊張と混乱でわけが分からない。
気づけば、司と蓮に挟まれる形でソファに座らされていた。
密室の空気が重たく、肩にのしかかる。
「……君、名前は?」
「は、早瀬ゆりです…フード…サービス部です」
低く響いた声に、背筋が跳ねる。
隣の司が、静かに問いかけていた。
自分でも声が震えているのが分かる。
「……食事をしよう。そんなに緊張しなくていい」
視線を絡められた瞬間、胸の奥が一瞬止まった。
その眼差しに込められた意味を悟ったからだ。
(あぁ……なるほど…そーゆう事か)
理解した。
これは接待。
自分に与えられた役目、業務なのだ。
談笑して彼らを楽しませ、食事を円滑に終え、この場を仕上げること。
そう思えば、すべきことはただ一つ。
「…………どうぞ、ご一緒にお召し上がりください。私が腕を振いましたので」
ぱっと表情を切り替え、営業スマイルを作り上げる。
ナイフとフォークを指先で丁寧に揃え、淀みなく差し出した。
その仕草は、まるで舞台に立つ女優のように優雅で、完璧だった。
だが胸の奥では、パニックの熱と恐怖の冷たさが同時に渦を巻き、汗が背中を伝っていた。
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