はじめましてバリウム!
明鏡止水
第1話 あの、なんかすみません、幼くて……
みなさん、はじめて、バリウムを飲んだのは、何歳の頃ですか?
わたしは、今年初めて。
デビューしました!!
生きてきた価値があるというものです!
健康診断でバリウム! 大人の仲間入りです!
シフトを組んでくれた上司が
「あの、明鏡さん、ごめんね、変なことを聞くけれど……、
何歳なの?」
知らなかったんですか?!!
けっこう私自分の年齢まわりに言ってたのですが。
「ごめんね、健康診断の日、夜勤にしちゃった……」
いえ、そんな!!
お気になさらずにっ。
介護の恩師、素晴らしき上司に気を遣わせてしまいました。もっと若いと思ってたのだと言われて苦笑。
うん。まあ。一般的な34、35歳に比べたら子供部屋おばさんはね、世間的に幼い人が多いと思う。知らんけど。
私自身ふにゃふにゃした態度で利用者さんに接してますからね。
人生の先輩たち。しかも80、90歳の方たちに囲まれているのですから。
精神的な幼さを見抜かれてぐはっ!! と机に突っ伏しました。
「全然、午前健康診断受けて夕方出勤とか別に大丈夫っすよ〜」と言えればいいのだがもごもごしてしまいました。ちょっとトラブルを起こして迷惑をかけてしまった上司に対してどうお詫びしようか考え中な日々。
ところで尊敬すべき上司が言うには。
「いや、下剤とか飲むから。早く出てくれないと午後たいへんかなって」
「? はいぃー……(←わかってない)」
はやく、でる?
どうやら胃のレントゲン検査を終えた後、なにか、あるのか?
下剤?
恩師は忙しい方です。突っ込んで聞くことはしませんでした。
仕事に戻る、戻る。
当日。
わくわくしてバリウムに挑む、明鏡止水。
どんな味かな? バナナとか聞いたことある気がする、わー、どんなだろーう!
わく。わく。
くるくる回転する機械の上でタンクローリーみたいにころんころんするボトル。
……。
きみか! きみがバリウムだね! よろしく!
説明してくれる看護師さんめっちゃ優しい。
まず、胃をふくらませるしゅわしゅわする粉をこれで飲んでくださーい、と。ちっちゃいカップで粉を一緒に。
ごくん。
なんだ、なんか、この味……。
飲める、飲めるぞ!!
看護師さんの指導の下、ゲップを我慢する私。
……あれ、ゲップでない。平気だ。
「でそうになったら、ん!! ……てやってください」
と飲みこむ様子を体現してくれる看護師さん。
やさしい。ほがらか。
よし、バリウムの入ったカップを手に持ち、いざ!!
二口ほど飲んで何かの味に似てるんだよなあー?
と思い。
では自分のペースで飲んでしまって下さーい、と言われ。
ぐび、ぐび、ぐび。
ぐび。
うん。
ラムネみたいな味。
爽やかじゃない、ラムネの牛乳みたいなとろみ。
そんな感想。
最初に飲んだしゅわしゅわの粉がそんな風味にさせたのかもしれませんが。
なんか、思ったよりさわやかだ!!
この時の明鏡止水は知らなかった。
ありとあらゆる方向へ回転させられるぷちアトラクションを。
……。
初、バリウム。
たのしかったです!!
人生なんでも楽しまなきゃね!!
つか楽しい!!
生きるぞみなさん!
みなさんの辛いと思ったがいまだに、許せない負のエネルギーエッセイとか逆に欲しい明鏡止水でした!!
ちなみに体重と腹囲はストレスで新記録更新です!
はじめましてバリウム! 明鏡止水 @miuraharuma30
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。はじめましてバリウム!の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます