第2話 煙突掃除夫
親方と一緒にやって来たとある家。
親方はさっそく家の外壁にはしごをかけると手慣れた様子でするすると屋根の上へと登っていく。
一方レオナルドはというと、家人に暖炉のある部屋へと案内された。
「それじゃあ頼むわね」
そう言って夫人は部屋を出て行き、レオナルドは暖炉の中へと入る。
まず最初に鼻と口を布で覆い、屋根の上から親方が垂らしてくれているロープをしっかりと腰に巻いて結ぶ。
煙突の中には掃除夫の為にレンガの出っ張りがあるのでそこへ手をかけ足をかけ、そして壁に体を押し付けながらレオナルドは自力で煙突を登っていく。
レオナルドが専用のブラシで煙突内の煤を払い落としていると、頭の上に煤の塊がドサリと落ちくる。
屋根の上にいる親方が煙突上部の煤を箒で落としているのだが、そのせいで元々悪かった視界はもっと悪くなり、咳が出て、出っ張りから足を踏み外しそうになった。
だが文句など言えない、レオナルドはただ黙々と自分の仕事に集中するだけだ。
田舎の貧しい家庭から人身売買で煙突掃除夫という過酷な労働へと行き着いたレオナルドにとって、生きる術が他にはないのだから。
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