第十四話 三者面談
「話すことは決まってるけど、やっぱり緊張しちゃうな」
秋恵が真優美にささやく。真優美は母親の
「うちはいつもお母さんが全部話しちゃうから」
公美子は秋恵の父、
「秋恵さんは大学受験されるんですよね。さすがクラス委員長ですわ」
「おかげで夏休みも塾の夏期講習だ、模擬試験だと大忙しさ。真優美さんとも遊べないとこぼしていたよ」
「真優美も夏休みは浅草の実家で働くので、とても遊ぶ余裕はありませんわ」
公美子が微笑む。
「『
正彦は真優美に視線を移した。
「これからも秋恵と仲良くしておくれ」
「はい」
真優美は静かにうなずく。
「幼稚園からの付き合いだもん、これからもずっと一緒よ」
秋恵は自信満々に言うと、真優美の肩を抱えた。
母の隣に座りながら、真優美は少し離れて一人で座る
一希は手持ち無沙汰なのか、ギターをつま弾くように手を動かしている。真優美がその手に見とれていると、中年の女性が廊下を早足で歩いてきた。そのまま一希のそばへ近寄る。
「遅くなってごめんね」
どうやら一希の母親らしい。目の形がそっくりだ。一希は手を止めるとほっとしたような表情をみせた。
先に呼ばれたのは秋恵だった。入れ替わりで廊下に出てきた道也が、一希に話しかける。
「親父も高校からすぐ新聞社に入ったから、僕も親父の会社の試験を受けると話したよ」
一希が母親に説明した。
「鳥居道也。隣の席で、勉強もできるんで助かってる」
「一希の母の横澤
「こちらこそ、お父さんのお店も時々使わせていただいてますよ」
頭を下げた柳子に順太が声をかけた。黒縁眼鏡の大柄な体格は道也とよく似ている。
「それじゃお先に失礼するよ」
一希と真優美に一礼して鳥居親子は帰っていった。
「そういえば、このクラスで他に大学に行きそうな子はいるの?」
話し相手がいなくなった公美子が真優美に話しかける。真優美は少し考えると答えた。
「男子は何人かいるみたいだけど、女子は秋恵ちゃんくらいかな」
「やっぱり、
「お母さん」
耐えきれず真優美が声を上げたその時、教室のドアが開いて草原親子が出てきた。秋恵は満足そうな表情をしている。
「先生が『隅西から
「銀星大学と
「ありがとうございます」
正彦に声をかけられた柳子が一礼して立ち上がった。一希はチラリと真優美を見ると、続けて教室に入る。
「あの男の子の家、お店やってるって言ってたけど、何のお店か知ってる?」
公美子が小声で話しかけたが、真優美は素っ気なく答えた。
「知らないな」
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