秘密の砂浜 ― くりくりッとした目のポニテのアズとまったり浜辺でデート

のら坊

第1話:波打ち際のポニーテール

海に着くと、アズサは軽やかな足取りで砂浜を駆けて行った。


波打ち際から少し離れたところで、スポーツサンダルを脱ぎ、白いソックスを指先でつまんでスルリと足から抜いた。


アズサの白くて細い足は、遠目に見てもとてもきれいだった。


そして、裸足のまま波打ち際へ駆け寄っていく。 キャーキャー笑いながら、波が引くと波に向かっていき、波が寄せてくるとピョンピョンはねながら後ずさりする。 その動作を何度も繰り返すアズサのポニーテールは、跳ねるように揺れて弾んでいた。


やがて、不意にこちらを振り返り、


「リクー、早くおいでよー」


と笑顔で手を振った。


その笑顔に、リクの心は完全に撃ち抜かれてしまった。


夕方が迫る海は、波頭がところどころ太陽の光にきらめいている。

輝く海を背にしたアズサの笑顔は神々しく、リクはこの一瞬が永遠に続くといいのに……と思ってしまった。




戻ってきたアズサの足はすっかり砂まみれになっていた。


「どおしよー?どうしよー?」 困ったように声を上げるアズサ。


リクは少し考えてから言った。


「サンダルのまま海に入って洗えば?」


「リク、頭いいー!」 アズサは笑顔で答え、波へ駆けていった。


砂を洗ったアズサの細くて白いつま先に、リクは密かにドキッとした。

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