カイストと四千世界シリーズ(転生を繰り返しながら鍛錬を積み、神の域に達した戦士や魔術師が活躍するシリーズ)に属するが、直前作『COLDEST』さえ読んでおけば十分に楽しめる。
前作の設定を土台にしつつ、異なる視点から世界観を広げていく……理想的な続編である。前作の主人公ルナクスが(融通が効かないにも程があるとは言え)超人だったのに対して、今作の主人公コダンは(いわゆる″極振り″をしているとは言え)駆け出し。だからこそ、前作では見えなかった部分も見えてくる。世界も人も。
のみならず、明瞭にして迫力ある戦闘描写は、前作にも全く引けを取らない。レベル99(いや、999999くらい?)のキャラクターの戦闘と、レベル9のキャラクターの戦闘を、同じくらい魅力的に描く……それがどれだけ高等なテクニックか、お分かり頂けるだろうか?
個人的に最も印象深かったキャラクターは、不死身のシュテムである。彼がカイストを目指さなかった理由、そこにカイストとは何か、カイストになるために必要なものは何か、その全てが凝縮されているように思える。逆に、なぜコダンはカイストを目指せるのか……その答えも、最後まで読めばきっと分かる。
ファンタジーもので戦うとなると「王道」は剣と魔法であることは、読まれている方もご存じでしょう。
ただ実際に戦う身の上になると、剣と魔法は挑戦者も多く「王道」だからこその難しさもあるでしょう。
私自身も王道はあまり好きではなくて、本作主人公のコダンが使うような「毒」であったり「呪い」であったり、そういった王道から逸れた道のほうが好みです。
本作はそんな裏の道を往く「腐れ毒虫」コダンの生き様を描いています。
じわりじわりと追い込むその様は正に「毒」そのもので、じわじわと攻めることの恐ろしさがよく伝わりました。
ぜひコダンが歩む裏の道をご覧ください。