第13話
俺の明るい緑の瞳とソフィア夫人の深緑の瞳が重なる。
ソフィア夫人の深緑の瞳は僅かに潤んでいた。
指で性感帯を刺激をしてやるとソフィア夫人の身体がビクビクと小さく跳ねる。
「あ、あぁ! やんっ! あんっ! あぁんん!」
甘く甲高い声でソフィア夫人が啼き声を上げた。
「気持ちいいですか? ソフィア。ソフィアのここは私の指を気に入ったようですね」
「ひゃん! そ、そんなこと、い、言わないで…ああぁ!」
「どうしてですか? 甘い蜜で私を誘っているのでしょう? ソフィアの甘い蜜を味わってみましょうか」
「そ、そんなに見ないで…」
「恥ずかしいのですか? ソフィアのここはとても綺麗ですよ。甘い蜜の匂いが私を誘っていますね」
「いや! だ、だめです! あんっ! そんなとこ、ひゃあんっ!」
「なぜですか? オスフィール伯爵もソフィアの甘い蜜をいつも味わっているのでしょ?」
「あ、あの人は、あんっ! そんなこと、し、しない、ああぁんん!」
「オスフィール伯爵は 酷い男ですねえ。こんなにソフィアの蜜は美味しいのに」
身体をビクビクと小刻みに震わせてソフィア夫人は頭を振り乱し始めた。
どうやらオスフィール伯爵は自分勝手にしか女を抱かない男のようだ。
絶頂が近くなりブルブルと震えているソフィア夫人を追い詰めていく。
「ひいいいいぃっ!! イクうぅぅうぅっ!!」
ソフィア夫人の身体が仰け反り悲鳴を上げて絶頂に達した。
絶頂の余韻でソフィア夫人がグッタリとしている間に俺は自分の欲望を取り出す。
「ソフィア。あなたをいただきますよ」
「あああっ!!」
やはり女とヤルのはやめられない。
「エ、エミリオ…さま……」
「そうです。今、あなたを抱いているのはオスフィール伯爵ではありません。このエミリオです」
わざと俺がオスフィール伯爵の名前を出すとソフィア夫人の身体が反応する。
やはり背徳感は女の欲望を刺激するようだ。
「ああぁ…い、言わないで……あんっ! やぁんん!」
「何を今更言ってるんですか? 私に抱かれるのを選んだのはあなたでしょう?」
腰の動きを段々と早くしながら俺はソフィア夫人を責め立てる。
ソフィア夫人も甲高い嬌声を上げ始めた。
「やんっ! あぁんっ! ひゃんっ! あはぁんんっ!」
「いい声です。もっと啼いてください。今夜はオスフィール伯爵ではなく私のために啼いてください、ソフィア」
「あぁんん! エ、エミリオさまああぁ!!」
ソフィア夫人は本格的に快楽に溺れ始める。
自分の身体の下で快楽に溺れるソフィア夫人の様子を楽しみながら俺は本格的に今宵の恋の相手との行為を楽しみ始めた。
「あんっ! やんっ! あぁんっ! あんんっ!」
ソフィア夫人の甘い嬌声が寝室に響く。
「ソフィアの声は甘い声ですね。その甘い声で私を誘うなんてソフィアはいけないご夫人だ」
ソフィア夫人の奏でる甘い声に俺も欲望を刺激される。
「いやんっ! それ、だめええぇっ!!」
「何がダメなんですか? ソフィアの身体は私を求めてますよ。私の子種がそんなに欲しいのですか?」
「っ! ちが…あ、ああぁ!!」
子種を出されると思ったのかソフィア夫人は俺のことを拒絶するように手で俺の身体を押し返そうとする。
だがそんな抵抗も俺が腰を強く揺すってやればソフィア夫人の身体は快感に溺れて力など入らない。
俺の責めに喘ぐソフィア夫人の耳元で俺は囁く。
「ソフィアは子供を産んでいますか?」
「あぁ!……む、息子が…ひとり……あ、ああぁ! やんっ!」
「そうですか」
ソフィア夫人は既にオスフィール伯爵の嫡男を産んでいるようだ。
俺は腰の動きを緩慢なものに変える。
そして再びソフィア夫人の耳元で囁く。
「ではソフィアは私の子種を受け取ってくれますか?」
「っ!」
ソフィア夫人に子種を出していいかと俺は尋ねた。
自分勝手に出すことはできるが俺は必ず相手の許可を得るようにしている。
万が一、子供を孕んでもその女も同意していたなら一方的に俺が責められることはない。
それにこの国では男より女の方が姦通の罪は重い。
女だってそれを承知で俺と関係を持つのだから自己責任だ。
「エ、エミリオ…さま……そ、それは…ぁんんっ!」
ソフィア夫人の深緑の瞳に躊躇いの色が浮かぶ。
姦通した上に子供を孕むかもしれない行為にソフィア夫人が拒絶感を見せるのは当たり前だ。
ゆるゆるとソフィア夫人を責め続けながら俺はソフィア夫人の最後の砦を破壊するために甘い声で囁く。
「私とソフィアは同じ金髪に緑の瞳です。色の濃淡はありますが二番目の子供が多少明るい緑の瞳をしていても誰もソフィアの不貞など疑いませんよ。それに私はソフィアに私の全てを受け入れて欲しいのです。たとえそれが今夜だけのことであっても」
ニコリと笑みを浮かべて俺はソフィア夫人に軽くキスをした。
「……エ、エミリオ……さま……わ、私……」
「大丈夫。今夜のことは二人だけの秘密です。それに私の全てを手に入れられるのは今夜だけです。ソフィアは私が欲しくないのですか?」
「っ!」
ソフィア夫人の深緑の瞳に葛藤が浮かぶ。
俺はソフィア夫人をゆるゆると責めながら返事を待つ。
俺を見つめる深緑の瞳が欲情の色へと変化していく。
「……ほ……しい……」
「何が欲しいのですか?私の子種が欲しいなら私が欲しいと言ってください、ソフィア」
「欲しい…の…エミリオさまが…欲しいのおおぉ!!」
ソフィア夫人の叫ぶような声で俺はソフィア夫人が完全に堕ちたことに満足する。
「そうですか。ではソフィアの望むモノを差し上げます」
一気に腰の動きを速くした。
「やああぁ! だ、だめええ! イッちゃううぅうぅっ!」
「いいですよ、ソフィア。一緒にイキましょう」
さらに動きを加速させてソフィア夫人を追い詰める。
「ソフィア。私を受け取ってください」
俺は自分の欲望を解放した。
「ひいいいぃっ!!」
叫び声を上げてソフィア夫人は絶頂を極めた。
ビクンビクンッと大きくソフィア夫人の身体が跳ねてギシギシとベッドが軋んだ音を立てる。
痺れるような気持ち良さが俺を支配した。
この気持ち良さを味わうためならご夫人方のご機嫌取りや社交界での権力者たちとのまだるっこしい会話だって苦ではない。
俺は荒い息を吐き出す。
「はぁ、はぁ、ソフィア。とても素敵な夜をありがとうございます」
ピクピクと身体を震わせて絶頂の余韻に浸っているソフィア夫人に最後のキスをする。
「エミリオ…さま…」
潤んだ瞳で俺を見るソフィア夫人に今夜の夢の終わりを告げる。
「私はこれでパーティー会場に戻ります。あなたはここで休んで明日オスフィール伯爵の元にお帰り下さい。ソフィア夫人の本来いるべき場所へ」
「……ええ……そうですわね……バールデン伯爵さま……」
ソフィア夫人は小さく微笑んだ。
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