EP.008

彼女に語り終えた俺は一息吐いて、彼女を見た。

「...なるほどねぇ」

「何か問題でも...?」

「んなのないよ。ってか、すごいじゃ~ん!」

え?って顔をしながら楓を見続ける

「いや、だってあの人、ここを度々攻撃してきたりと色々大変だったからさ〜!本当にここ全員に代わって感謝したいぐらいよ!」

と顔をグッと近づけて話してくるせいで、後ろに倒れそうなほどだったが、それほどすごい事をしたというのなら、自分でも流石に誇れるようなことだと感じる。


翌日、俺は散歩がてら早朝に村...いや、街を探索しておいた。休日の朝だったのもあり、街は昼間と打って変わって閑散としていた。

「案外広いなぁ...ここ」

そう小声で呟きながら歩いていると、

「って、またお前さんかい...」

「"また"って何よ。"また"って」

「いや、これで2回目だろ」

「それはそうだけど...」

彼女は凹んだように俯いた。

「まぁ、それはいいとして、何やってるんだ?あんたは」

俺は咄嗟にさっきの話を適当に流して次の話題?へと移ろうとさせた

「え?何って...座ってる?」

「いや、そうじゃなくてさ、なんというか、その...」

と脳をフル回転して考え出そうとしていたら、

「仕方がないじゃん。家ないし」

「...へ?」

「え、だから家ない...」

「それはよ言わんかい!」

俺は半ギレでそうツッコんだ。

「言ってくれれば部屋とか貸してやるし」

はっとして口を閉じようとしたが...もちろん間に合うわけもなく、彼女はそれを聞いて

「本当に!? ありがとう〜」

と言ってしまってる。もう後戻りもできずに諦めていた俺だった...

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