優雅さと本音の落差が痛快で、クールな悪役令嬢の視点から描かれる騒動がとても楽しい作品でした。社交場でのやり取りや言葉の応酬がコミカルでありながら、主人公の芯の強さと潔さがすっと浮かんできて、読後に爽快さが残ります。重々しい婚約破棄ものとは違い、日常の切迫した瞬間をきっかけに物語が転がっていく軽やかさが魅力で、笑いの中にちょっとした解放感まで味わえる一編でした。